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2021-12-10

発達障がいは男の子が多いってホント!?男女の特徴や違い、対処法を知ろう

「発達障がいは男の子に多い」

という話を聞いたことはありませんか?

発達障がいとは、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などをまとめた障がいです。

こどもに多いというイメージから、最近は大人の発達障がいにもスポットが当てられるようになりました。

10年くらい前まで、脳の男女の違いから、自閉症やADHDは男の子を中心に紹介されることが一般的でした。

しかし、最近は女の子の「隠れ発達障がい」といって、周囲から見過ごされやすいため男女比に差があるのではないかと考えられています。

そこで今回は、発達障がいにおける男の子と女の子の違いや特徴、対処法などについてまとめてご紹介します。

発達障がいの男女比は?

発達障がいのことを「広汎性発達障害」と呼ぶことがあります。

自閉性障害やレット障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー障害などです。

2010年刊の「こころの医学事典」によると、次のような特徴を持っています。

・自閉性障害

ほぼ3歳までに発症して、興味や関心が偏っていたり、感覚過敏のほか全体の約2割がてんかんを持ちます。

男女比は3〜5:1です。

・レット障害

4歳以前に発症する発達障がいで、周囲への反応が薄く、手もみや過呼吸などの特徴を持ちます。

女子のみに現れる障がいです。

・小児期崩壊性障害

自閉症のこどものうち15分の1から40分の1の割合で10歳以前に発症します。

興味が偏っている、ひとつのことに非常にこだわるといった特徴が強く現れます。

男子に多い発達障害といわれています。

・アスペルガー障害

就学前に周囲が気づくケースが多いものの、報告数は少ないのが特徴です。

社会性がうまく身につかない、同じ事を何度もやったり、衝動的に何かをしてしまいます。

男女比は8:1です。

男の子が多いのは診断基準の影響?

データを見る限り、一見すると発達障がいは男の子が中心の障がいと思うのも仕方ありません。

ただし、発達障がいの診断基準をよく見ると、発達障がいを持つ男の子の特徴をメインにまとめられていることが多くなっています。

自動的に発達障がいの女の子がこぼれ落ちているのではないかとも考えられます。

現在では男女の違いはほとんどないという考え方が主流

実際、最近の発達支援の現場では、発達障がいには男女差はあまりないという考え方が広がっています。

たとえば、発達障がいの一つであるADHD(注意欠陥多動性障害)は、やんちゃでわんぱくといった男の子のイメージに近いこと、男の子はある程度発達障がいの特性が強く出ても孤立しづらいこと、などが挙げられます。

女の子に比べると男の子の場合、

「話し方や行動はちょっと変わっていてユニーク」「服装がきちんとしてなかったり、忘れ物が多い」
「でも、付き合ってみると面白くていい奴だ」

といったように、その子の個性や性格として友だちの輪の中に溶け込めているケースが少なくありません。

しかし、周囲の大人からは「発達障がいの特徴に当てはまるみたい」と察知されやすいのです。

一方で、女の子は知らない間に女子グループから孤立していたり、「ひとりで過ごすのが好きな女の子」というイメージで見られたり、女の子だからゆえに発達障がいと思われないまま見過ごされるケースが少なくありませんでした。

診断基準が男の子よりで作られてきたこと、大人や社会が男の子と女の子に対して求めるものが異なることなどが重なって、男の子の発達障がいがクローズアップされやすかったといえるでしょう。

男女で現れやすい特性が異なる

さらに、ADHD(注意欠陥多動性障害)のように、男の子と女の子で現れやすい特性に違いがある場合も注意しなければなりません。

ADHDの主な特性には、

・不注意

・多動性

・衝動性

の3つがよく挙げられます。

このうち、男女にかかわらず不注意の症状は共通して見られます。

ただ、男の子の場合は、多動性や衝動性が目立つ傾向があるのです。

「授業中にじっとしていられない」

「急に教室を飛び出して行ってしまう」

など、こういった目立った行動は男の子がよく起こすため、発達障がいの女の子が見過ごされやすい理由のひとつにもなっています。

発達障がいの男の子への対処法

発達障がいによって、日常生活で困りやすいシーンが異なります。

そこで、3つの発達障がいの特徴と対応のしかたをご紹介します。

①自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合

・言葉でのコミュニケーションが苦手

抽象的な表現や慣用句、例え話など、言葉の言い回しが理解しづらい傾向があります。

たとえば、「しばらくずっと座っていて」と言われると、いつまでどの程度座っていればいいかがわかりません。

「靴を履いてから、玄関を出るように」という表現は、靴を履くことに注意が行ってしまったり、逆に後半の玄関を出ることが気になりすぎてしまったり、アンバランスな行動を誘う可能性があります。

そこで、何か指示をするときは、長い文章で言葉をつなげるのではなく、短い言葉や単語で一つずつ伝えるようにしましょう。

また、一度こどもに聞く体勢を取るようにさせてから、わかりやすく丁寧に話すことがポイントです。

・時間の感覚が身につかない

時間のように、目に見えない概念のイメージが身につきづらい傾向が強いため、一日のスケジュールや予定管理などがうまくいかずに心配ばかりしている場合が多いです。

予定の時間や内容をひとつずつ伝えて、全体のイメージを持たせるようにしましょう。

また、予定表やスケジュールはイラストやシールなどを使って、目で見てわかるような工夫がおすすめです。

・コミュニケーションが苦手

相手の気持ちを読み取るのが苦手です。相手の表情やボディーランゲージを読み取れず、話の言葉だけで判断してしまいがち。

空気を読む、相手の思いを察する力が低いため、本人はその気がなくても相手を傷つけてしまったり、友だち関係でなじめなくなったりします。

表情や身振り手振りと合わせて、言葉による説明やボディーランゲージも使ったコミュニケーションを取りましょう。

「『あれ』を取って」や「『あんなふうに』並べて置いて」といった代名詞を使った表現は避けるようにします。

・感覚過敏

ASDのうち、音や光、匂いなどに敏感に反応しやすい男の子も一定の割合で存在します。

ちょっとした刺激がきっかけでパニックや興奮状態になってしまうことも。

反対に、感覚が鈍感で外界の刺激や痛みを感じにくいこどももいるので注意が必要です。

なるべく刺激のない静かで落ち着いた環境を整えましょう。

とくに音や光を発するような家電を少なくしたり、壁や窓をリフォームして外から入る刺激を減らすことも効果的です。

外出先で音や光が気になる場合は、耳栓やイヤマフを使ったり、帽子やフードで視界を狭くしたりしてあげます。

②注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合

・注意や集中するのが苦手

忘れ物やなくし物が多い、集中力がないのですぐに飽きて諦めてしまいます。

忘れ物を防ぐには、紙にメモを書いて部屋に貼る、持ち物リストを作成するといった工夫ができます。

勉強面では、目標を細分化して、ひとつできたらすぐに褒めてあげると、こどもの自信につながります。

・じっとしていられない

同じ姿勢でずっと座り続けたり、授業で先生の話を聞き続けるなど、じっと静かにするのが苦手です。

ずっと手遊びをしたり、足を動かしたり、男の子の場合は授業中でも騒いだり、教室を走り回ったりする場合が少なくありません。

とくに保育園や幼稚園の間は、外出先でも急に走り出したり、横断歩道を左右を見ずに渡り始めたり、ずっと動き回っていて危険なシーンもよく起こります。

外では必ず手をつないで歩く、横断歩道ではルールにしたがって渡るなど、繰り返し外出中に守るルールを親子で確認しておきましょう。

就学児の場合は、部屋で集中しやすいように模様替えをしたり、教室では席順を工夫したり、といった環境を整えることがポイントです。

・衝動的に行動してしまう

我慢できず、思いついたらすぐに行動してしまう特性です。

他人同士が話していても会話に割って入る、順番が待てない、気になることがあると今やっていることをほったらかしにして行動してしまいます。

得意なことを伸ばして本人に自信をつけさせる方向へとリードしていきます。

また、中高生になるとお金の管理も学ばせるようにしましょう。

衝動買いをしないようにおこづかい帳を付けたり、定期的にお金のつかいかたを学ぶ機会が大切です。

③学習障害(LD)

・ディクレシア(読字障害)

文字を読むのが苦手な男の子には、文章を読むとき定規を使って今読んでいる位置をわかりやすいようにします。

また、文章の読点や句読点、意味のまとまりで印を付けて、ひとつずつ読みやすくする工夫も効果があります。

・ディスグラフィア(書字表出障害)

文字が上手く書けないこどもには、漢字を分解して、なぞり書きをする、大きなマス目や十字の補助線が入っているノートを使用するといった方法もおすすめです。

また、漢字学習では、まず読めることを優先して学ばせます。

その後に、漢字のひとつひとつの意味を学習しながら、書く練習に進みましょう。

・ディスカリキュリア(算数障害)

数字のような見えない概念を扱う場合は、果物を家族分に分ける練習をしたり、買い物をしてレシートとお釣りが合っているかチェックしたり、身近な生活の中で計算が必要なシーンを取り上げながら、実体験で学ばせましょう。

このほか、タブレットやデジカメを使って紙の教材よりもより視覚的にわかりやすい教材を活用するのもおすすめです。

ソーシャルスキルを学ぶことで日常生活の生きづらさを改善していく

発達障がいを抱える男の子は、さまざまな特性から普段の生活で生きづらさを感じながら暮らしています。

ADHDであれば不注意や多動性、衝動性といった特徴そのものをなくすことは難しいですが、注意力が乏しくて忘れ物をしがちであれば、忘れ物をしないようなチェックリストを作成して常に確認するようにしていけば、少しずつ忘れ物をしなくなっていきます。

このように、ソーシャルスキルと呼ばれる日常生活で欠かせない基本的な生活スキルをちょっとずつ身につけることで、発達障がいの男の子もずいぶん生きやすくなっていくのです。

発達支援をおこなっている放課後等デイサービスのように、通所するこどもたちに普段からソーシャルスキルトレーニングを指導している施設も増えています。

また、運動が苦手なこどもが多いため、運動遊びのように楽しみながら体を動かして身体機能をアップするアプローチも大切なことがわかってきました。

吹田のこどもプラス大阪のような放デイでは、さまざまな特性を持った発達障がいの男の子が多く通っています。

ひとりひとりに合わせた生活面での工夫を一緒に考えながら、こどもたちの自信を育む機会を与えていくことが大切です。

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