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2022-12-16

発達障がいのこどもは運動が苦手?運動遊びの「柳沢運動プログラム」とは

「姿勢を正してもすぐに崩れてしまう」

「運動が苦手で体育を嫌がる」

発達障がいのあるこどもは、からだの動かし方が不器用だったり、歩く・走る・投げるといった運動がきごちなかったりする場合があります。

このように日常生活のさまざまな動作において、極端な不器用さで困っているこどもたちは発達性協調運動障害(DCD)かもしれません。

自閉症スペクトラム障がい(ASD)やADHD(注意欠如・多動症)などに比べると認知度は低いですが、発達障がいとの関連もあるため、適切なサポートが必要です。

そこでこの記事では、発達障がいのあるこどもと運動について考えていきましょう。少しずつ認知度が高まっている発達性協調運動障害(DCD)の特徴や発達障がいのあるこどもが取り組みたい運動のポイントを紹介します。

発達性協調運動障がい(DCD)は発達障害の一種

「発達性協調運動障がい(DCD)」という言葉を聞いたことはありますか? 日本では、2013年の第110回日本小児精神神経学会で「子どもの不器用さとその心理的影響:発達性協調運動障害(DCD)を中心に」がテーマに取り上げられてから、小児科の現場でも少しずつ知られるようになったといわれています。

これまでも発達性協調運動障がいのこどもはいなかったわけではありません。こどもの頃、小学校や中学校のお友だちで『運動神経が悪い』こんなお友だちはいませんでしたか?

・歩く・走る・投げる・蹴るなどがぎこちない
・鬼ごっこをしてもすぐに捕まったり、捕まえられないのでずっと鬼の役をしている
・なわとびや鉄棒、跳び箱が苦手で、いくら練習しても上手くならない
・ドッジボールや野球、サッカーで補欠にさせられる、参加しても負けた場合の原因にされる
・授業中に姿勢を維持したまま座っていられない

このように、運動が苦手なこどもは、発達障がいの種類なかでも発達性協調運動障がい(DCD)の可能性があります。

発達障がいのこどもは運動不足になりがち

発達障がいのあるこどもたちは、日常的に運動量が不足しがちです。もともと現代生活ではこどもでもからだを動かす機会が減っているため、時代とともに体力や運動能力が低下しつづけています。

とくに、発達障がいを抱えていると、障がいの特性によって運動が苦手だったり、外出を嫌ったりするため運動不足になりやすいといわれています。

また、偏食や不規則な食習慣で同じ物やおやつばかり食べたがり、栄養バランスが乱れやすく、肥満による運動不足も心配です。

こどもの心身の発達を促進する運動のちから

こどもは、遊びや体操を通して運動することで、体力がつきバランスのとれたからだに成長します。とくにこどもにスポーツや運動が勧められるのは、運動習慣を身につけると身体機能の発達が促進されやすいからです。こどものうちに学びとった健康的な生活習慣は、大人になってからも元気で活躍できる、生活習慣病を予防するといった効果が期待されます。

また、思い思いにからだを動かしながら遊んでいると、のびのびした心の発育にも効果的です。遊びや運動で感じる達成感や成功体験によってこどもは自信や社会性、コミュニケーションスキルを育みます。

しかし、運動が苦手な発達障がいのあるこどもは、遊びや体操、スポーツをする機会が乏しく、心やからだの成長を育む時間が少ないことが問題です。ひとり遊びを好んだり、家で過ごすのが好きだったりすると、こども同士の運動や遊びを通して身につく社会性や対人関係を学ぶチャンスも限られてしまいます。

コロナ禍による深刻な運動不足

コロナ禍によって、外出自粛がつづき、運動不足のこどもたちに変化が出てきたというデータも登場してきました。

2020年夏に日本臨床整形外科学会がおこなった小・中・高校生を対象にしたコロナによる外出自粛の影響に関するアンケート調査があります。

結果を見ると、まず、外出自粛の期間中、全体で5.4% の割合で運動割合が減少したと回答しました。

また、「体力がなくなった」と回答したのは、小学生で35.3%、中学生で44.1%、高校生で55.1%となっています。小学生より中学生、さらに高校生と年齢が上がるにつれて回答の割合が高くなっている点がポイントです。とくに高校生の場合、「疲れやすくなった」37.7%、「気力がなくなった」24.3%、「体重が増えた」34.9%と報告されていて、運動不足がいかにこどもたちの体力や気力、健康問題に影響しているかが明らかとなりました。

発達障がいは、脳の発達の偏りが原因といわれています。心と体の発達を促す効果がある運動ですが、実は脳の発達にも大きな影響があることを知っていますか。とくに運動をすると記憶系を司る海馬の働きも活発化するため、認知機能の向上に欠かすことができません。

WHO(世界保健機関)によると、5歳から17歳のこどもに、1日あたり60分の中強度(ウォーキングや柔軟体操など)の運動を推奨しています。

発達障がいのあるこどもたちにも、できるだけ運動する機会を増やして、こころやからだの発達を促す意識が必要です。

発達障がいのあるこどもの運動発達をサポートするには

発達障がいをはじめ、脳性麻痺やダウン症などで身体機能の発達に遅れが見られるこどもには、発達外来や療育センターなどで運動能力の発達を促すサポートをおこなっています。

リハビリからの運動発達アプローチ

理学療法士や作業療法士は、ケガや病気によって運動機能や動作能力が低下した方の回復を目指すリハビリテーションのスペシャリストです。骨折や脳血管障害などでリハビリを受けるケースが一般的ですが、発達障がいのあるこどもたちの運動療法なども担当することがあります。

理学療法(PT)

こどもが発達につれて身につけるさまざまな運動や動作の遅れを理学療法を使ってサポートします。

次のようなこどもたちが対象です。

・赤ちゃんや幼児期の基本動作である寝返りやお座り、ハイハイがうまくできない
・幼児期から就学以後に重要な歩き方や走り方をはじめ、階段の上り下り、ボール運動、体操が苦手

からだの動かし方をうまく身につけられないと、こどもは思う存分遊びや運動で活発に過ごすことができません。理学療法士は、肥満を解消するための運動療法のほか、手足の動きがぎこちないといった感覚運動や協調運動に対するサポートもおこないます。

作業療法士(OT)

鉛筆で字を書く、ハサミで紙を切るなど、日常生活ではさまざまな細かい作業が必要です。手先の動かし方がぎこちない、物を上手くつかめないといったこどもたちに、運動遊びや作業活動を通した支援をおこなうのが作業療法です。

その中心となる感覚統合療法は、1980年代にアメリカから日本に導入された作業療法のひとつです。

人は、外部から受けるさまざまな感覚的な刺激を脳の中で整理してまとめて、ひとつの動作に結びつけています。例えば、キャッチボールをしているこどもは、少なくとも次のような数多くの感覚を脳でキャッチしなければなりません。

・相手からボールが飛んできていること
・そのボールの大きさや距離、スピードをつかむこと
・手に付けているグローブの感触やつかむ際の感覚
・自分のからだや服装から受ける感覚
・風速や気温、周囲の状況や環境音
・重力や地面からの反発 など

このようなたくさんの感覚を瞬時に脳内でうまく整理することを、感覚統合がうまくいくといいます。

一方で、例えば「自分の着ている服の生地が肌に擦れる感覚が気になってしかたがない」こどもの場合、感覚統合がうまくいかずにキャッチボールがうまくできないのです。このほか、集中力が続かない、感覚に過敏または鈍感、運動や手先を使う作業が不器用、言葉の遅れがある、感情をコントロールできない、といった発達障がいの特性も、感覚統合に問題があるからです。

感覚統合療法をはじめ作業療法では、運動遊びや体操、細かな作業活動をリハビリのスタッフの指導のもとおこなって、日常生活に必要なスキルを身につける手伝いをします。

放課後等デイサービスでの運動発達支援

放課後等デイサービス(放デイ)は、発達障がいのあるこどもたちが、放課後や休日に過ごす福祉施設です。放課後等デイサービスに通うことで、自宅や学校のほかに居場所やお友だちをつくることができます。

放課後等デイサービスでは、一人ひとりの発達に合わせた支援をベースに、専門スタッフのサポートを受けながら集団生活を通して対人関係に必要なソーシャルスキルやコミュニケーションスキル、基本的な生活習慣を学びます。

運動療育は、放課後等デイサービスで提供しているプログラムの大きな柱のひとつです。施設によってスタイルは異なりますが、発達障がいのあるこどもに運動発達の支援は欠かせません。

放課後等デイサービスを利用する際には、まずこどもたち一人ひとりの発達状況を考えながら「個別支援計画」を作成します。運動療育では、児童指導員や保育士など、専門の有資格者が個別支援計画に沿ってこどもが苦手な運動や動作を身につけるサポートをおこないます。

放課後等デイサービスでは、運動を通して成功体験や社会技能(ソーシャルスキル)を育みながら、こどもたちの心の発達を支援することが特徴となっています。そのため、ただ運動をする、体操やスポーツをする、といったイメージよりも、もっと広く捉えられるものです。

おすすめの運動療育「柳沢運動プログラム」

施設によって運動療育の取り組みはさまざまですが、柳沢運動プログラムはその代表例といえるでしょう。柳沢運動プログラムは、運動遊びを通して大脳活動の発達を促すとともに、こころとからだの発達をサポートするという柳沢秋孝先生の理論に基づいて開発されています。

「くまさん歩き」「カンガルージャンプ」「クモの巣遊び」など、柳沢運動プログラムならではの「運動遊び」は、こどもたちに大人気。日々の運動療育のなかで、楽しみながら小さな成功体験を積み重ねていく方法は、こどもの豊かなこころを育てます。

吹田を中心に教室を展開する「こどもプラス大阪」も、柳沢運動プログラムを取り入れている放課後等デイサービスです。発達障がいの特性を踏まえて、一人ひとりの個性を大切にしながら専門スタッフが発達支援を提供しています。

まとめ:発達障がいのこどもは運動が苦手!?楽しく運動に取り組むには

発達障がいのあるこどもは、障がいの特性から運動が苦手だったり、動作がぎこちなかったり、といった場合が多く見られます。最近注目されはじめた発達性協調運動障害(DCD)のように、発達障がいのこどもと運動機能との関連は以前から指摘されてきました。

社会の変化でこどもたちの運動不足が深刻になるなか、日常生活でこどもの運動をどう取り組むか、大切なテーマです。

「発達障がいでこどもの運動不足が心配」

「運動が苦手なこどもに楽しみながらからだを動かす機会を作りたい」

そんな困りごとを持っている親御さんがいたら、お気軽にこどもプラス大阪までお問い合わせください。この記事で紹介した柳沢運動プログラムのポイントを含めて、スタッフが丁寧に放課後等デイサービスについて案内します。

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