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2023-02-24

発達障がいのこどもがキレる理由は?怒りをコントロールするための親の対処法〈その3〉

発達障がいの特性によって、普段からちょっとしたことでキレたりイライラしやすいこどもがいます。

そこで、最近ビジネスの世界でも話題になっている「アンガーマネジメント」を子育てに取り入れてみましょう。

最終回の3回目のこの記事では、具体的なアンガーマネジメントのテクニックを紹介します。

アンガーマネジメントプログラムとは

アンガーマネジメントに関するセミナーでは、発達障がいの親(支援者)やこどもたちに向けたプログラムが用意されています。

親は、キレる、興奮しているこどもと一定の距離を置いて、冷静に対応するための方法を学びます。

以下の6つのプロセスを通して、こどもに自分の置かれた環境をどう把握するのか、そして状況に合った正しい感情表現とは何かをトレーニングしていきます。

  • 気づきを得る
  • 知的理解を進める
  • 感情的理解を深める
  • 新しい行動パターンを学習する
  • 新しい行動パターンを練習する
  • 新しい行動・考え方・感じ方を定着させる

気づきを得る

どのような刺激でキレてしまうのか、そのときの反応とセットでこども自身が気づくきっかけを与える段階です。イライラしたときのセルフコントロールやストレスマネジメントの方法を学びます。

知的理解を進める

どうしてキレたりイライラしたりしてしまうのか、行動の原因を把握させます。怒りの感情を持ち続けるとどのようなメリットやデメリットがあるのか、そのままではどのような状況に陥ってしまうのか、気づかせることがポイントです。

感情的理解を深める

こどもが自分が持っている発達障がいの特性を理解して、よりポジティブな行動へと変えていきたいという動機付けをおこないます。

新しい行動パターンを学習する

周囲に受け入れられるかたちでどうやって怒りの感情を表現すればよいのか、具体的な方法を学びます。また、対人関係のトラブルや周囲の環境になじむに必要なスキルを身につけるプロセスです。

新しい行動パターンを練習する

適切な怒りの表現のしかたをさまざまなロールプレイを使って練習していきます。

新しい行動・考え方・感じ方を定着させる

ロールプレイで学んだ新しい表現方法をしっかりと身につけていきます。

この6つのプロセスを使った方法は、キレやすくイライラしやすい気持ちをこども自身で冷静に捉え直すのに有効な方法です。

アンガーマネジメントの3つの方法

アンガーマネジメントの方法によっては、家庭でも気軽に取り入れることができます。

まず、こどもの興奮状態を落ち着かせ、次に目の前で怒っていることに対して幅広い捉え方を促します。

そして、集団生活にマッチする対応を身につけるといった、3つのステップによってアンガーマネジメントを進めます。

興奮状態を落ち着かせる

不快な刺激があったときは、目をつぶったり、イヤホンで音を遮断したり、こどもが簡単にできる方法を身につけさせましょう。

周囲の大人はその場から離れさせてクールダウンのサポートをします。

また、深呼吸や手洗いや洗顔、水を飲む、安心できるスペースに移動する、お気に入りのぬいぐるみやおもちゃで遊ぶ、といった行動を促すとより効果的です。

さらに、手足の簡単な運動で身体を動かすのも、緊張をほぐす有効なテクニックといえます。

幅広い捉え方を促す

怒りを感じた状況に対して、こども自身が正しく認知しているかどうかを確認しましょう。もし認知が歪んでいたときは、別の見方がないかを一緒になって考えて、こどもが受けた刺激と行動、そしてきっかけとなった考え方を整理していきます。

例えば、目の前の状況に対して、白か黒かで判断していないか、おおげさに捉えすぎていたり、たいしたことないと考えてはいないか、「自分はダメな人間だ」といった被害的な思考に陥っていないか、など、誤った見方を取り出して、頭の中を整理してあげることが大切です。

適切な対応を身につける

社会性を身につけるためのソーシャルスキルを身につけるロールプレイを実施しましょう。

ソーシャルスキルとは、人が社会でうまく生活していくために必要なマナーや表現方法のことです。

例えば、ルールを守ること、謝ること、助けを求めたり、嫌なことをきちんと断ることなどが挙げられます。このほか、友人関係を築く方法や仲良くなった関係を維持する方法、相手と意見が異なったときに話し合いや解決方法を見つけるスキルなども重要です。

こうしたソーシャルスキルは、発達障がいのこどもを療育する発達支援の現場で盛んに取り入れられています。

とくに放課後等デイサービス(放デイ)では、放課後や休日に通うこどもたちに対して、ソーシャルスキルトレーニングという方法で具体的なロールプレイをしながら訓練するところが増えています。

親もアンガーマネジメントを学ぶことが大切ですが、発達支援のプロによるソーシャルスキルトレーニングの機会を与えれば、こどもが日常生活でさらに暮らしやすくなるでしょう。

まとめ:発達障がいのこどもがキレる理由は?怒りをコントロールするための親の対処法〈その3〉

3回にわたって、発達障がいのこどもがキレやすい、イライラしまうときのアンガーマネジメントについて解説してきました。

発達障がいの特性によって、キレやすかったり、イライラしやすいこどもたちが少なくありません。そこで、怒りの感情が生まれている理由を知り、適切な育児や教育につなげることが大切です。

アンガーマネジメントを学ぶのも大いに役立つでしょう。とくにソーシャルスキルトレーニングは、怒りの感情をコントロールして、こどもたちに必要な社会性を身につける有効な機会となります。

放課後等デイサービスのようにソーシャルスキルトレーニングを積極的に取り入れている発達支援の施設を利用してみてはいかがでしょうか。

吹田にある「こどもプラス大阪」でも、こどもがキレる・イライラする、といった怒りの問題や、ソーシャルスキルトレーニングに関する相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

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