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2022-02-25

発達障がいのこどもに抜毛症が多い理由は?髪の毛を抜いてしまう原因や対処法を知ろう②

抜毛症は、思春期や発達障がいを持つこどもたちに多い精神科や心療内科で取り扱う病気のひとつです。

日常的なストレスの解消のため、環境についていけない不満を無意識でやわらげるために発症するといわれています。

髪の毛をかきむしったり、抜いた毛を食べたりする症状が一般的です。

とくに、発達障がいのこどものなかに、抜毛症の症状が現れる人が少なくありません。

抜毛症の2回目のこの記事では、発達障がいと抜毛症の関係についてご紹介します。

発達障がいの種類と抜毛症

抜毛症は、発達障がいがあるからといって必ず見られる症状ではありません。

ただ、発達障がいをもつこどもで、抜毛症のあるこどもに少なくないといわれています。

発達障がいのうち、自閉症スペクトラム症(ASD)やADHD(注意欠陥多動性障害)で抜毛症が現れやすい傾向があります。

なぜなら、発達障がいのなかでも、次のような症状が特徴だからです。

▼自閉症スペクトラム症(ASD)

①コミュニケーションや人間関係が苦手

言葉に遅れがある
他者の気持ちや考えを察するのが苦手
表情やボディーランゲージによるコミュニケーションが困難
人間関係を築いて仲良くするのが苦手

②こだわりが強い

同じことを繰り返す
ひとつのルールややり方にこだわりすぎる
好きなことと好きでないことへの興味の差が極端
感覚過敏または感覚が鈍い

▼ADHD(注意欠陥多動性障害)

①不注意

忘れ物が多い
時間管理が苦手
気持ちの切り替えが難しい

②多動性

落ち着かず集中できない
注意散漫
おしゃべりがやめられない

③衝動性

思ったことをそのまま口にしてしまう
ちょっとしたことで人を傷つける言葉を投げる
衝動買いをしてしまう
人間関係でトラブルを起こしやすい

このように、発達障がいの特性から、日常生活でストレスを抱えやすく、環境になじめない精神的な疲労から、ネガティブな気持ちを解消するために抜毛してしまうと考えられます。

強迫性障がいと抜毛症

精神疾患のひとつに強迫性障がいがあります。

自分の考えやイメージにとらわれて、同じ行動を繰り返してしまう病気です。

かつては不安障がいの一つといわれていました。

しかし、近年、抜毛症は強迫観念が前面に出ているため、不安障がいとは分けて考えられるようになりました。

現在、心療内科などの現場では、強迫スペクトラムとも呼ばれる強迫性障がいの一種として抜毛症が治療されています。

抜毛症から発達障がいがわかることも

強迫性障がいのひとつである抜毛症の悩みで精神科や心療内科を受診した人が、医師の診断をきっかけに発達障がいだとわかるケースもあります。

こどもたちは、まだコミュニケーションが発達していないため、自分の気持ちや感情、辛い状況をうまく言葉で伝えるのが難しい場合も少なくありません。

小学校に入学して本格的な学習がスタートしてから、学習障害(LD)や知的障害で勉強についていけなくなったストレスで抜毛症が現れるこどもたちもいます。

また、クラスが変わった、引っ越しをした、友人関係でなじめない、など適応障害や不安障害、不登校やひきこもりなどの精神的な負担が重なって、無意識に髪の毛やまつ毛を抜いてしまうケースも注意しなければなりません。

抜毛症の対処方法

抜毛症になったこどもにどう対応すればいいのでしょうか。

ここでは、7つのポイントをまとめてご紹介します。

①できるだけ一緒に過ごす

抜毛症は一人で過ごしているとき、無意識にやってしまう場合が多いため、こどもの不安をやわらげるため、できるだけ一人にさせないようにしましょう。

遊ばせるときも一緒に遊んだり、同じ部屋で見守ったりしながら、親御さんのいる安心感を与えるようにします。

こども本人が一人の時間を過ごしたいときもあるので、いつでも無理矢理そばにいさせる必要はありませんが、親子で過ごす時間を増やすことがポイントです。

②手持ち無沙汰にならない遊びをさせる

ゲームやおもちゃ、絵を描く、楽器を演奏するなど、手を使わなければならない遊びや趣味をこどもにさせましょう。

ゲームに集中していれば、髪の毛やまつ毛を抜く暇はありません。

また、遊びや趣味を通してストレス解消になるため、抜毛症の原因である日常的なストレスコントロールにつながります。

親御さんも一緒にこどもの遊びや趣味に加わると、自然に親子の会話が増えたり、コミュニケーションスキルが高まったりする効果も期待できます。

自然に一緒に過ごす時間のなかで、ふと日頃の悩みや辛い気持ちを話してくれることもあるでしょう。

発達障がいのこどもたちのなかには、スポーツや手先を使った細かい作業が苦手なこどもが少なくないので、こどもの発達段階に合わせて楽しめる遊びや趣味を勧めてあげてください。

③医療機関を受診する

抜毛症の症状が重くなった場合は、心療内科や精神科、発達外来などのクリニックや病院を受診してみましょう。

医師による診断を受ければ、専門的なアドバイスを受けられたり、治療を受けるきっかけになったりします。

医療機関では次のような抜毛症の治療法がおこなわれています。

・薬物療法

抜毛症は精神的な不安や強迫観念が原因になっていえるため、抗うつ薬や抗不安剤など精神疾患の治療薬が処方されることがあります。

こどもの年齢や発達障がいの有無によっても使われる薬の種類や量、副作用のおそれがあるため、医師や薬剤師と相談しながら治療を進めることが大切です。

・認知行動療法

うつ病や統合失調症などさまざまな精神疾患の治療に使われている精神療法の一つです。

まず、自分が髪の毛を抜いていることを認識することから始まります。

そして、どうして髪の毛を抜きたくなるのか、抜いた後の気持ちはどう変わるのか。

心の流れを細かく掘り下げて記録をしていきます。

そして、髪の毛を抜きたいという衝動を感じたとき、その通りにするのではなくて、新たな習慣を身につけるようにしていきます。

抜きたくなった場合は帽子を被る、ゲームをする、手を叩く、など代わりになる行動を一緒に見つけてあげましょう。

こどもの場合、認知行動療法をうまく進めるには、親御さんをはじめ家族のサポートが欠かせません。

一緒に過ごしているとき、髪の毛を抜こうとしたら、その都度、前もって決めておいた新しい習慣を促すようにフォローしてあげることが大切です。

④帽子やウィッグを使う

髪の毛を抜き続けて、頭髪の状態がいびつになると、鏡で自分の頭部を見て余計にストレスがたまるこどもも多くいます。

また、ある程度、髪の毛の状態が悪くなると、諦めモードになって見た目を気にしなくなるのも問題です。

こどもによっては、髪の毛がまだらに生えている状態をからかわれて、ストレスを増幅させてしまうケースもあります。

髪の毛がきれいに生えている状態は自分に自信を与えること、外見を整えることで周りの印象もよくなることを伝えるため、ウィッグを使って抜け毛による症状が治まるまで見た目を改善することがおすすめです。

ウィッグを着けていれば、無意識に髪の毛を抜いてしまう症状も予防できます。

外出時はもちろんのこと、室内でも帽子を被るのも効果的です。

こどもに似合う帽子を買って、日常生活で被るように習慣づければ、ファッションスタイルの一環として頭部の見た目を改善できます。

⑤叱らない・怒らない

抜毛症は習慣化されているため、症状が深刻なほど改善するまでの時間も長くかかります。

目の前で「髪の毛を抜くのをやめなさい!」「毛を食べちゃだめ!」と叱り続けてしまうと、大人に叱られること自体がストレスになって、より悪化する可能性が高くなるので気をつけましょう。

何度か怒ってしばらく髪の毛を抜くのを辞めても、あくまで一時的なものです。

根本的な原因は解決されていないため、何かをきっかけにまた髪の毛を抜くようになったり、場合によっては以前より症状が悪化することも考えられます。

親御さんとしてはこどもが抜毛症になっていると、心配でつい叱りたくなるかもしれません。

ですが、長い目でこどもと一緒にゆっくり治療を続けようという気持ちが、こどもにも不安を与えないポイントです。

⑥親が心配しすぎない

こどもの抜毛症は、精神的な不安やストレスなどこども本人の悩みを現したものです。

本人たちは辛い状況に置かれていますが、極論すると生命にかかわるような重大な病気ではありません。

そのため、髪の毛をかきむしる光景やまだらになった頭皮の状態を見続ける親の側が、抜毛症だからといってあまりに不安を感じたり、深刻に悩みすぎたりしないようにしてください。

こどもにもメンタル面のアンバランスが伝わって余計にストレスを与えてしまうからです。

「命に影響はないのだから、じっくり治していこう」というくらいの気持ちで、こどもに寄り添いながら一緒に治療を進める心構えを持ちましょう。

⑦突き放さない

不安になりすぎる、心配しすぎるのはよくありませんが、こどもの心の状態を現している抜毛症に無関心なのはいけません。

こども本人だけで改善するのは難しいため、病院へ通ったり、心のケアに努めたりするなど、親も一緒になって解決を目指す姿勢が大切です。

また、抜毛症の背後にあるこどもの悩みや周囲の環境を理解して、親子の会話のきっかけにしたり、思い切って生活環境を帰る努力をしたりするようにしましょう。

まとめ:発達障がいのこどもに抜毛症が多い理由は?髪の毛を抜いてしまう原因や対処法を知ろう②

抜毛症は、こどもたちが普段抱えているストレスや悩み、生活環境への違和感など、日常生活の生きづらさによって発症している可能性が高い精神疾患です。

最近では、強迫性障がいの一つであるという見方もあるなど、メンタルヘルスと大きな関係があるといわれています。

発達障がいのこどもたちには、髪の毛をかきむしる、抜いた毛を食べる、などの抜毛症の症状が出ているこどもが少なくありません。

発達障がいのうち、自閉症スペクトラム症やADHD(注意欠陥多動性障害)を抱えるこどもをお持ちの親御さんは、抜毛症の症状がないか日頃から気をつけてあげましょう。

こどもプラス大阪のような放課後等デイサービスに通っているお子さまなら、スタッフに通所中の様子を聞いて家庭以外の抜毛症の症状の有無を確認するのもおすすめです。

もし抜毛症で悩んでいる場合は、医療機関で相談することはもちろんですが、日常生活でのこどもとの接し方に注意して、ストレスを与えず、本人が自然に抜毛症の悩みを改善できるようなフォローをしてあげることが重要です。

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