発達障がいのこどもがプログラミングでゲーム開発!?得意で就労するプログラマーへの道①
発達障がいのこどものなかで、パソコンやスマートフォンのゲームやアプリを開発するプログラミングに能力を発揮する子がいます。
専門医によっては、発達障がいのこどもがプログラミングを学習すると学習面や就労面でプラスになると考える人もいるようです。
小学校からプログラミング学習が必修化されている今、注目を集めるプログラミングで発達障がいのお子さんの能力を伸ばすことは可能なのでしょうか。
そこで今回は、発達障がいのこどもたちとプログラミング学習について考えます。
発達障がいの特徴やプログラミングとの相性はもちろんのこと、メリットやどのような学習方法があるのかまで、詳しく解説します。
プログラミングがおすすめなこどもは発達障がいによって異なる
最近、発達障がいのこどもがプログラミングを学ぶケースが増えています。
発達障がいとは、大きく分けて自閉症スペクトラム障がい(ASD)、ADHD(注意欠陥・多動性障がい)、学習障がい(LD)の3種類があります。
そのため、発達障がいのこどもたちの学習を進めるに当たって、特性に合わせた学習方法を選ぶことが大切です。
・自閉症スペクトラム障がい(ASD)
以前、アスペルガー症候群や自閉症だった発達障がいをまとめた呼び方です。
こだわりが強い、人間関係が苦手、その場の空気を読むのが難しい、自分だけのルールがある、といったネガティブなイメージの一方で、本人が好きなことや興味のあることはとことん集中して思わぬ能力を発揮する場合があります。
ASDのこどもはプログラミングが一番向いている特性を持っているといわれています。
ASDの特性である、一つの物事にこだわって集中する、ルールにしたがった中で生活する、という傾向がプログラミングとマッチするからです。
「1+1=2」といったAの反応がBの結果につながるようなルールを好むため、自分の世界に集中すれば周囲がびっくりするくらい成果を出すこともあります。
・ADHD(注意欠陥・多動性障がい)
気持ちをコントロールするのが苦手で、多動性、衝動性、不注意の3つの特性が代表的な症状です。
じっとしていられなかったり、思いついたらすぐに何かを始めたり、やり始めて集中力が続かない、目標や段取りを忘れてしまう、といった特徴があります。
プログラミング学習をするには、まず、じっとしていられない(多動性)を落ち着かせてから本人のペースを見て始めるといいでしょう。
ASDのこどもと同じように、自分のルールがしっかりしていて、自分の世界の中で生きている特徴が強いため、かっちりしたルールの下で組み上げていくプログラミングは向いていると考えられます。
・学習障がい(LD)
読み書きや会話、計算などの基礎的な学習に関わる分野が苦手です。次の3種類があります。
①読字障がい(ディスクレシア):読むことが苦手
②書字表出障が(ディスグラフィア):書くことが苦手
③算数障がい(ディスカリキュリア):計算や推論が苦手
なお、知的障がいはともなわいません。
LDのこどもは、ASDやADHDのこどもに比べると、プログラミングに向いていないように見えます。
というのも、読字障害のこどもはコードを読み取って理解できるまでかなり時間がかかるため繰り返しの学習が必要です。
ただし、書字障害や算数障害はタイピングができてパソコンに入力すれば、問題になることはあまりありません。
プログラミングにこだわるのではなく、さまざまな可能性の一つとして気軽に環境を整えてみてはいかがでしょうか。
プログラミングを学んで身につく力
プログラミングの学習を通して、次のような力が身につきます。
1.論理的思考力
プログラミングの考え方を貫いているのは、上から順番に実行する「順次」、繰り返し実行する「反復」、条件によって実行内容が変更される「分岐」の3つのポイントです。
つまり、この3要素にしたがって物事を論理的に組み立てていけば、プログラミングが完成することになります。
もしミスが起こったときは、必ずどこかに間違いが隠れているので、一つひとつのコードをチェックして修正を繰り返さなければなりません。
「どこか間違っていたのだろう」「ここにミスがあるのではないか」といったように、物事を一つの流れとしてつかんでプログラミングを進めるため、プログラミング学習を通じて自然に論理的な思考力が身につきます。
2.問題解決能力
プログラミングを組み立ててもうまく動かなかった場合、必ずどこかにミスが潜んでいます。
ミスを推測したり、他で正しく動いている場所と比較したり、修正を繰り返しながらプログラミングをまとめていくうちに、問題を解決する能力が高まります。
まとめ:発達障がいのこどもがプログラミングでゲーム開発!?得意で就労するプログラマーへの道①
発達障がいをもつこどもがプログラミングを学習すると、思わぬ能力を発揮してプロ並みの成果を出せる可能性があります。
発達障がいのなかでもASDと呼ばれる自閉症スペクトラム障がいやADHDと呼ばれる注意欠陥・多動性障がいの特性とプログラミングが合っているからです。
プログラミングを通して論理的な思考力や問題解決能力を養うこともできます。
次回の記事では、発達障がいを抱えるこどもたちがプログラミング学習をするメリットと、就労支援から見たプログラミングについてご紹介します。
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