発達障がいのこどもと「遊び」の大切さ①
こどもの遊びには成長に応じて発達段階があります。
おとなから見ると、どの遊びも大きな違いはないように見えるかもしれません。
しかし、こどもの心理的な成長を研究する発達心理学のような見方をすると、同じように楽しそうに遊んでいるこどもでも年齢や発達、心の成長とともに変化が見られるものです。
こどもにとって、こころとからだの成長に遊びは欠かせません。
よく食べる、よく寝る、といった基本的な生活習慣に目が向きがちですが、遊びはこどものこころを育んだり、からだの骨や肉、神経などの発育を支えているからです。
今回から、4回に分けてこどもの遊びについてご紹介します。
発達障がいをお持ちのこどもにとっての遊びの大切さにも触れながら、改めてこどもと遊びについて考えてみましょう。
遊びがこどもにもたらす影響
「こどもは遊ぶのが仕事」などと言われるように、日々の生活のなかでこどもは目いっぱい遊びます。
大人の視点では、「ただ遊んでいるだけだろう」とピンと来ないかもしれません。
しかし、こどもにとっては遊びが一日のうちの大きなウエイトを占める関心事であって、自然にこどものなかに眠っている才能や好奇心を育む貴重な機会の連続でもあります。
遊びがこどもに及ぼす影響には、主に次の3つがあります。
①こころやからだの成長を促進する
こどもは遊ぶとき、全身を使ってさまざまな動作をしたり、頭を使ったりします。
自分の頭や体をフルに使って遊び続けるのが特徴です。
遊び夢中になれば、知らず知らずのうちに体力がアップする、体の使い方を学ぶ、遊びに必要な思考力や判断力などが鍛えられます。
シンプルにおもちゃを触っているだけの遊びさえ、周囲の環境がすべて新鮮なこどもにとっては、新しい刺激ばかりです。
物の感触、温度、誤って落としてしまったときの衝撃など、こどもは遊びを通して人が生きて行く上で基礎となる多彩な感覚や思考を育んでいます。
②柔軟な発想やクリエイティブな思考が身につく
まったく異なるおもちゃをくっつけて新たな遊びを考え出したり、大人が思いつかないような遊びのルールを作ったり、ときにこどもは柔軟で創造力にあふれる遊びをします。
大人が決めたルールを押しつけるのではなく、こどもたちを自由に遊ばせていると、さまざまな応用力を発揮するこどもに成長するのです。
遊びで培った創造力や柔軟性は、大きくなってからさまざまな場面で活かされます。
③主体性が身につく
遊びで大切なことは、こども自身が「遊びたい」と夢中になることです。
おとなから遊びを押しつけられたり、決まったルールの中でだけ遊びをしていると、能動的に行動するこどもは育ちません。
「今日はこんな遊びをやってみよう」
「もっと誰かを誘って、楽しいことをやりたい」
自発的に遊びを始めることで、主体性のあふれるこどもに育ちます。
まとめ
このように、遊びにはこどもの心身の成長にとってさまざまな効果があります。
では、こどもにとって、どのような遊びがこころとからだの成長に役立つのでしょうか。
次回、遊びの種類について見ていきましょう。
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