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2022-05-13

発達障がいのあるこどもで使われる薬とは|薬の種類と副作用の心配について考えよう

発達障がいと診断されたこどものうち、小児神経科や心療内科などで薬を処方されている場合もあるでしょう。最近は、ASD(自閉症スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動性障がい)などをもつこどもたちの症状に合わせて、さまざまな薬剤が使用されています。

発達障がいのあるこどもへの対応は、家庭や学校などでの環境づくりや改善が一番といわれています。しかし、日常生活や集団生活に支障をきたすような適応障害があったり、身体的な危険につながる可能性が高かったりすると、精神疾患に使われる薬剤を使用するケースが少なくありません。

そこで今回は、発達障がいのあるこどもにどういった薬が使われているのか、その種類と副作用についてご紹介します。

発達障がいのあるこどもと薬

小児神経科や心療内科などで発達障がいの診断を受けたとき、定期的に通院しているとき、こどもの状況によって医師から症状を改善するため薬物療法を紹介される場合があります。

発達障がいがあるかたといって、薬を飲まなければならないわけではありません。こどもが生きやすく、日頃の悩み事に対応するには、まず環境を整えること、そして周囲の理解を得ることが何より大切です。

しかし、発達障がいの症状のレベルによって、医師の判断で向精神薬など精神疾患の薬剤を処方する場合もあります。精神科系の薬に対しては、抵抗感のある親御さんが少なくないのも確かです。保護者が自分で飲むののならまだしも、成長過程にあるこどもに飲ませるかどうかを判断するのは、親御さんにとって大きな悩みになるでしょう。

薬物が処方されるケース

・ASD(自閉症スペクトラム症)の場合

ASDのあるこどもは不安が強く、イライラやパニックを起こしがちです。障がいの特性として、周囲の状況を理解するのが苦手だったり、人間関係や物事の見通しを立てるのが困難だったりするため、常に不安や緊張のなか過ごしています。

急激な環境の変化やコミュニケーションがうまくいかないといった大きなストレスがかかると、こどもによって攻撃的な言動を取ってしまうことがあります。

衝動的で攻撃的な行為が他人に向かった場合は暴力行為につながりますし、自分自身に向かうと自傷行為に発展する可能性が高まります。そのため、こども本人の不安感やイライラ、パニックのレベルによって攻撃的な行動につながるリスクが高いと判断されると、薬物療法を選択することがよく見られます。

・ADHD(注意欠陥多動性障がい)の場合

不注意・多動性・衝動性の3つの大きな特徴をもつADHDと診断されたこどもは、集中力がない、いきなり外へ飛び出してしまう、突発的に行動しがち、といった傾向が強く、育児をつづける親御さんにとって日常生活での負担は大きなものです。親子ともに疲れ果てた状態になってしまうと、精神疾患や身体的症状、不登校やひきこもりなど二次的障がいに発展する可能性が高くなります。

このように、こども本人や他人に危険が及ぶリスクが高いとき、日常生活に大きな支障をきたしているとき、などで薬を使用するケースが多く見られます。

発達障がいで使われる薬の種類

発達障がいを大きく分けると、次の3種類です。

①ASD(自閉症スペクトラム症)
②ADHD(注意欠陥多動性障がい)
③LD(学習障害)

なかでもADHDのあるこどもに対して薬物療法が選択される場合が多くあります。ASDでは、オキシトシンの処方が一般的に知られていますが、積極的に処方されているわけではありません。どちらかというと、ASDと合わせてADHDの傾向があるこどもに、ADHDの治療薬を処方するケースが標準的です。

そこでここでは、ADHDでよく使用される薬剤をいくつかご紹介します。

ASDやADHDで処方される代表的な薬剤

小児神経科や心療内科で、発達障がいのあるこどもに広く処方されている薬剤は、次のものが代表的です。

・コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)
ADHDに適応する錠剤。

・ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)
6歳〜18歳未満の小児期に適応するADHD薬でカプセル錠。

・リスパダール(リスペリドン)
5歳から18歳未満の小児期の自閉症スペクトラム症に適応する錠剤、内容液、細粒、OD錠。

カテゴリ別の薬剤の紹介

・中枢神経刺激薬
メチルフェニデート徐放剤が代表的です。多動性や衝動性、不注意の改善が期待できます。刺激剤ではないもののアトモキセチンも同様の効果があります。

・抗精神病薬
ハロペリドール、クロールプロマジン、ピモジドなどの定型抗精神病薬がよく使われます。ADHDの傾向を改善するほか、反抗挑戦性障害やチック、強いこだわりや反復行動の改善に処方されています。

一方で、自閉症スペクトラム症の攻撃性や興奮、自傷行為などに対してはリスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬を選択する場合もあります。

・抗うつ薬
SSRI:リスペリドン、オランザピン、アリピプラゾールなど
SNRI:ミルナシプランなど
三環系抗うつ薬:イミプラミン、クロミプラミンなど

このうち、SSRIやSNRIは安全性が高く、反復行動やうつ症状、不安障がいなどに広く使用されています。

・抗不安薬
ベンゾジアゼピン系:ジアゼパム、クロキサゾラム、ロラゼパム、クロナゼパムなど
不安症状や心身症をはじめうつ症状のほか睡眠障害や緊張の改善に処方されます。

・抗てんかん薬
カルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパムなど
躁うつ症状やイライラ感をはじめ気分の大きな変調のコントロールに使用されています。

薬の副作用にについて

こうした治療薬は、ADHDやASDの傾向を改善する効果が期待できる一方で、イライラや不安が強まる場合もあります。また、精神活動の沈静化、強い眠気、そわそわ感、体重増加といった副作用によって、日常生活に大きな影響が及ぶ場合もあるので、気をつけましょう。

このほか、こだわり行動や抑うつの改善のため飲み始めた抗うつ薬の副作用で、いらだちが強くなることもあります。なお、大人の精神疾患の治療でとく使われている抗不安薬やベンゾジアゼピン系睡眠薬は、こどもに投与すると脱抑制(衝動や感情のコントロールが効かなくなる)や興奮状態を促す場合があるので、あまり使われません。寝付きが悪い、夜中に何度も目覚めてしまうなどの睡眠障害には、メラトニン(メラトベル)という非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が活用されています。

まとめ:発達障がいのあるこどもで使われる薬とは|薬の種類と副作用の心配について考えよう

発達障がいのさまざまな症状を改善するため、医師の判断で薬物が使用されています。とくにADHDの特徴である不注意や多動性、衝動性を和らげるのに効果的な場合があるため、医師から薬物療法を勧められた親御さんも多いのではないでしょうか。

しかし、ADD(自閉症スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動性障がい)などの発達障がいのサポートでは、本人を取り巻く環境の調整を最優先におこなうことが大切です。児童発達支援事業所や放課後等デイサービスなどの療育や発達支援のサービスを活用することも非常に役立ちます。

その上で、医師と相談しながらADHD治療薬を中心にこどもの障害の特性や症状、日常生活での困りごとに合わせた薬を使用することが望ましいでしょう。薬が合わない、副作用の可能性がある、といった点に注意しながら、ベストな方法を考えていきましょう。

 

 

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