発達障がいのこどもがYouTubeやゲームをやめられない理由と親の対処法〈その1〉
発達障がいのこどもがYouTubeやゲームをやめられない理由と親の対処法〈その1〉
「こどもがずっとYouTubeで動画ばかり見ている」
「ゲームに熱中しすぎるこどもにイライラしてしまう」
発達障がいのあるこどもの子育てでも、YouTubeやゲームとの付き合い方に悩む親御さんは少なくありません。
こどもがYouTubeやゲームばかりでやめられないのはなぜでしょうか。また、親としてどういった声掛けやルール作りで対応すればいいのでしょうか。
今回から2回にわたって、発達障がいのこどもとYouTubeとの問題について一緒に考えていきましょう。
発達障がいのこどもはYouTubeが大好き
障害特性によって発達障がいのこどもたちは、一度YouTubeやゲームを始めると、やめられない、親が注意してもそれ以外の行動をしてくれないといったケースが多くあります。
とくにADHD(注意欠陥多動性障がい)やグレーゾーンのこどもたちは、なかなかYouTubeがやめられないことが多く、子育ての大きな悩みになっています。
YouTubeがやめられない理由
なぜ発達障がいのあるこどもはYouTubeがやめられないのでしょうか。次の3つの理由が考えられます。
- 動画に依存性があるから
- 時間感覚が育っていないから
- 気持ちの切り替えが下手だから
動画に依存性があるから
YouTubeは、視聴者が強く興味を引くように、あの手この手で工夫して制作されているエンターテインメントです。また、自分の視聴履歴に応じておすすめ動画が再生される機能もあるため、ひたすらYouTubeを見続けるように設計されています。
動画視聴は、受け身の娯楽のため、ただ見ているだけで楽しく過ごせます。スポーツや読書、絵画・音楽などの創作活動のように、自分で主体的に行動しなければ楽しくならないものではありません。そのため、こどもから大人までYouTube自体が依存性の強いものなのです。
時間感覚が育っていないから
こどもはまだ時間の感覚が育っていないため、どのくらい時間が経過したか、次の行動を終えるにはどれくらい前から行動しないといけないかといった、時間を軸にした行動が苦手な場合があります。
とくに発達障がいのあるこどもは、先の見通しを立てて時間を逆算しながら取り組むといったスキルが身につきづらいので、なおさらです。
気持ちの切り替えが下手だから
YouTubeに熱中していると、気持ちが動画に集中して他のことを忘れてしまいます。自閉スペクトラム症(ASD)やADHD(注意欠陥多動性障がい)のこどもは、気持ちの切り替えが苦手で、本当はやらなくてはいけないことを後回しにすることもしばしばです。
感情をコントロールする力も未発達なので、親がYouTubeをやめるように注意しても、怒ってイライラしたり、癇癪を起こしたりなど、収拾がつかなくなって親も途方に暮れてしまうのです。
YouTubeがやめられないときの脳の様子
YouTubeやゲームに依存性があるのは、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが原因と考えられます。
ドーパミンは、脳が興奮したり、やる気を出したりするときに分泌されます。自分の興味関心が強い動画が次々と流れてくるYouTubeは、ドーパミンによる脳内の活性化を促して快感を与えてくれるため、YouTube中毒の状態になってしまうのです。
もともとドーパミンは、モチベーションを引き出すものでもあるため、人間にとって大切な神経伝達物質です。
しかし、発達障がいのこどもたちは、生まれつきの脳機能の偏りのため、同じものに熱中しやすい、気持ちの切り替えが苦手といった特性が強いため、とりわけYouTubeに依存してしまうといわれています。
まとめ:発達障がいのこどもがYouTubeやゲームをやめられない理由と親の対処法〈その1〉
発達障がいのこどもたちは、障害特性のためYouTubeにハマりやすく、一度見始めるとやめられない、次の行動へと気持ちが切り替えられない、といった問題があります。
YouTubeやゲームは大人でもずっと見続けたくなるように作られているものです。ただ、自閉スペクトラム症(ASD)やADHDのこどもには、より強い依存性があります。
では、YouTubeをやめられないこどもにどのような対応をすればいいのでしょうか。後半の次の記事では、YouTubeとの上手な付き合い方について説明します。
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