発達障がいのこどもがキレる理由は?怒りをコントロールするための親の対処法〈その1〉
「ちょっとしたことでこどもがすくキレるので困っている」
「こどもがずっとイライラしていて落ち着かない」
日常生活でこどもがキレる、イライラするといった悩みを抱えている親御さんが少なくありません。発達障がいのあるこどものなかには、とくに怒りやすくイライラしやすい場合があります。
「問題行動」ともいえるこどものキレやすさをそのままにしておくと、親御さんのストレスも溜まってしまって大変です。
そこで今回から3回に分けて、発達障がいのあるこどもがキレる理由や怒りをコントロールする方法について考えていきましょう。
「キレる」って何?
そもそも「キレる」とはどういった状態なのでしょうか。怒りの一種ともいえますが、興奮や不安、気持ちのフリーズした状態が突然爆発してしまうことを指します。衝動的な言動によって、自分や周囲の人たちを傷つける危険な行動をしがちになるのです。
また、相手への攻撃や自分の殻に閉じこもることによって、人間関係をシャットダウンする場合も「キレる」状態です。内に向かったときは引きこもりや不登校となり、外に向けて攻撃的になったときはいじめや暴力といった問題行動を起こします。ただ、どちらの場合も人間関係を断ち切って自分を守るとしているといえるでしょう。
赤ちゃんまでさかのぼる「怒り」の感情
人間の感情を表す「喜怒哀楽」のうち、怒りは不快な気持ちを表すものです。赤ちゃんの頃から覚える感情で、授乳に対しては「快」、排便には「不快」といった感情が育ちます。
また、母親がどこかへいって不安になったり、授乳してもらいたい時間に遅れてしまったり、赤ちゃんが本能的に感じるベストなタイミングを逃してしまった場合も、怒りを感じてしまうのです。
赤ちゃんの時代から怒りと付き合う私たち。自我が目覚めるイヤイヤ期や親からの自立したくなる思春期は、自分の思い通りにならない「不快」が続くため、とくにキレやすくなります。
こどもが「キレる」理由
なぜキレやすいこどもや常にイライラしているこどもがいるのでしょうか。
次の4つの理由が考えられます。
- 「喜怒哀楽」の感情が未発達
- ストレスに弱い
- 相手への思いやりが育っていない
- ソーシャルスキルが身についていない
とくに4番目のソーシャルスキルの問題は発達支援でも課題となるテーマなので、ぜひチェックしておきたい理由です。
ひとつずつ見ていきましょう。
「喜怒哀楽」の感情が未発達
感情面でまだ「快」または「不快」のどちらかが中心のため、繊細な感情が発達しておらず、相手の気持ちを察することが難しいからです。
神経過敏や家庭内でDVを受けていたこどもは、周囲に対して必要以上に恐怖や不安を感じてしまい、突発的に反抗をすることもあります。
ストレスに弱い
感情をコントロールする力が低いこどもは、ストレスにさらされるとすぐに気持ちが不安定になります。
そのため、些細なことでもすぐ怒る、イライラしたり、反対に劣等感で自己否定的になったりしがちです。
相手への思いやりが育っていない
集団のルールは頭でわかっているものの、その理由が理解できないので、すぐに反抗的になったり、ルールを無視して自分勝手な行動を取ったりします。
ソーシャルスキルが身についていない
対人関係やマナーが育っていないので、人とのトラブルが起きたとき、自分の力で解決できません。
目の前のトラブルから逃げようとしたり、反対にわがままを通して高圧的に振る舞ったりします。状態が悪化すると、いじめや暴力・暴言、引きこもりや不登校に発展することもしばしばです。
まとめ:発達障がいのこどもがキレる理由は?怒りをコントロールするための親の対処法〈その1〉
発達障がいのこどもがキレやすいのは、感情が未発達だったり、ストレスをコントロールする力が低かったりするためです。とくに社会生活で重要なソーシャルスキルを身につけていないこどもは、集団生活が始まったとき発達障がいの特性によって周囲とトラブルを起こす場合が少なくありません。
では、発達障がいのこどもがキレるのは具体的にどういった場面なのでしょうか。また、怒りの感情が起きたとき、どのように対処すれば良いのでしょうか。次の2回目の記事で詳しく解説します。
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