発達障がいとゲーム依存って関係がある!?ゲームとの良い付き合い方②
前回は、急増するこどものゲーム依存について、こどもたちがゲーム障害になりやすい理由についてまとめてご紹介しました。
2回目の今回は、発達障がいを抱えるこどもたちがゲーム依存になりやすい理由についてご紹介します。
また、どのような対応をすればいいのかについても一緒に考えていきましょう。
発達障がいの特性がゲーム依存になりやすい理由
前回でゲーム依存は脳の問題や心の問題が大きく影響していることがわかりました。
さらに、3つ目の理由として、こどもたちの特性が原因ではないかといわれています。
発達障がいとは?
まず、こどもたちの発達障がいについて簡単に見ておきましょう。
発達障がいとは、主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害であるADHD、学習障害(LD)の3種類が知られています。
・自閉症スペクトラム障害(ASD)
広汎性発達障害と呼ばれるものうち、かつては自閉症やアスペルガー症候群といわれていた障がいです。
言葉の発達やコミュニケーション能力に支障があったり、対人関係や社会性に障がいがある、強いこだわりや同じ行動を繰り返したがるといった特徴があります。
・注意欠陥多動性障害(ADHD)
集中できない不注意やじっとしていられない多動性、思いついたらすぐに行動してしまう衝動性などを持っています。
・学習障害(LD)
学習の基礎能力である読む、書く、計算するといったスキルが身につきづらく、特定の能力だけ極端に苦手な場合が多くなっています。
ADHDや自閉症スペクトラム障がいはゲーム依存につながりやすい
実は、発達障がいの特性は、ゲーム依存になりやすい特徴と重なっている部分が多くあります。
・注意欠陥多動性障害(ADHD)
ADHDのこどもたちは、欲求や衝動をコントロールするのが苦手です。
そのため、衝動的に今すぐ目の前のゲームをやりたくなったり、ゲーム中も今楽しんでいる状態を優先しがちです。
また、ゲームを楽しむあまり、勉強や日常生活の他の大切なことを後回しにしていまいます。
また、過集中の傾向のため、まわりのことに目が向かず、ゲームのことしか目に入らなくなります。
また、勉強やゲーム以外の趣味は努力や積み重ねが必要なことが多く、すぐに慣れて飽きやすいのが特徴です。
一方で、ゲームはプレイヤーを楽しませるさまざまな仕掛けが用意されていて、飽きさせないのも依存しやすい要因といえます。
・自閉症スペクトラム障害(ASD)
発達障がいの中でも、コミュニケーションが苦手なこどもたちが多い症状が特徴です。
そのため、複雑な対人スキルを必要がなく、ルールもはっきりしているゲームの世界では、わずらわしい人間関係がないので喜楽に過ごせます。
また、ゲームの世界の仲間なら、距離が離れているので深く関わることもなく、うまく適度にコミュニケーションを取れるのもポイントです。
ひとつのことにこだわりやすい特徴を持っていることも、ゲームの達成感を求めてずっとプレイしてしまう理由となっています。
このように、ゲームやネットは発達障がいのこどもたちの特性とマッチしやすい特徴にあふれています。
そのため、ゲーム依存になりやすいといえるのです。
ゲーム依存が心配になったらどうすればいい?
では、おこさまがゲーム依存かもしれないと感じたら、どのように対応すればいいのでしょうか。
1.ゲームの時間を把握する
おこさまが実際にどのくらいの時間をゲームに費やしているかを確認しましょう。
1週間ぐらい、できるだけ正確なゲーム時間を記録していきます。
また、家庭でゲームに関するルール作りをしているか、ルールの内容はどうなのかも、改めて書き出して客観的に振り返ってみましょう。
2.わかりやすいルールを作る
もしゲームの時間が長すぎる場合は、
・ゲームする場所を決める
・ゲームする時間を決める
・宿題などやるべきことが終わってからゲームをする
など、具体的に使用ルールを決めていきます。
このとき、いきなりやめさせたり、ゲームやスマホを取り上げたりすると、親子関係をこじらせて悪化する可能性も。家庭内暴力などのきっかけにもなりかねません。
おこさま本人と話し合いながら、どのくらいならルールを守れるのか、慎重にルール作りをしていきます。
3.専門家に相談する
家庭内でゲームのルール作りをして守らせるのは限界があります。
そこで、どのような対応方法がよいのか、学校の先生や医師、放課後等デイサービスのスタッフなどに相談してみましょう。
第三者の目が入ることで、こどもたちもゲームのルールを守ってくれやすくなる場合もあるからです。
まとめ:発達障がいとゲーム依存って関係がある!?ゲームとの良い付き合い方②
深刻化するこどものゲーム依存。
発達障がいを抱えるおこさまの親御さんはとくにゲームにハマりやすい特性を持っているだけでに心配の声をよく耳にします。
ゲームを利用するルール作りをしていくのはもちろんのこと、ゲーム以外の楽しい時間を用意するのも大切です。
楽しみながら運動や体操、レクレーションやこどもたち、スタッフとコミュニケーションを図ることができる放課後等デイサービス(放デイ)の利用もそのひとつ。
目の前にゲームがあるという環境から離れて、一日のうち数時間、ゲームやスマホのない時間を過ごせます。
大阪の吹田周辺にもこどもプラス大阪のように放課後等デイサービスを利用しながら、ゲームと適切な距離を取っているご家庭もいらっしゃいます。
ゲーム依存が心配な場合は、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。
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