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2022-08-05

発達障がいのこどもで自閉症スペクトラム症(ASD)の特徴とは?症状や診断基準、接し方のポイント

発達障がいのなかでも、自閉症スペクトラム症は「コミュニケーションが苦手」「興味や行動への強いこだわりがある」など、日常生活や社会生活が困難な状態になる場合があります。

以前は「自閉症」や「アスペルガー症候群」などとそれぞれ別の名称で呼ばれていましたが、現在、「自閉症スペクトラム症」という呼び方にまとめられました。

自閉症スペクトラム症は、発達障がいを代表する種類のひとつで、生まれつきの脳機能の偏りから現れる特性です。そのため、一人ひとりのこどもたちの個性や性格、嗜好のひとつと考えられています。

そこで今回の記事では、自閉症スペクトラム症について、その特徴や診断基準、困りごとやこどもたちへの接し方の工夫などについてまとめてご紹介します。ADHD(注意欠如・多動性障がい)や学習障がい(LD)との比較も合わせて一緒に見ていきましょう。

自閉症スペクトラム症とは

自閉症スペクトラム症は、自閉症スペクトラム障がいとも呼ばれている発達障がいのひとつです。英語の略称でASDと呼ばれることもあります。

自閉症スペクトラム症の特徴は、コミュニケーションスキルに困難があって、対人関係や社会生活でさまざまな支障をきたします。言葉を文字通り受け取ってしまう、その場の空気を読み取るのが苦手、相手の気持ちや集団のルールを理解するのが困難、など、社会生活において人間関係のトラブルを起こしやすい可能性を抱えながら生きています。

また、特定の物事に対するこだわりが強いのも自閉症スペクトラム症の大きな特徴です。作業の順番や勝ち負けにこだわるほか、自分だけのルールややり方に強く執着します。また、こどもの場合、エアコンの室外機や洗濯機など、クルクル回るものばかりを見続ける、自動車の車種や形には極度に記憶力を発揮する、など天才肌のような傾向も持ち合わせています。

また、自閉症スペクトラム症のこどものなかには、感覚過敏または感覚鈍麻がある、手先が不器用といった場合も少なくありません。

自閉症スペクトラム症の診断基準のポイント

発達障がいの国際的な診断基準であるアメリカ精神医学会の『DSMー5』では、大きく分けて次の2つの特徴から自閉症スペクトラム症を診断します。

1.対人関係でトラブルを起こしやすいコミュニケーションの障がいがあるか
2.興味や行動への強いこだわりがあるか

ちなみに、医学的な診断をする場合、どちらの要素も見られるこどもにのみ自閉症スペクトラム症の診断名が付けられる点に注意しましょう。

それぞれ具体的な診断項目をご紹介します。

1.対人関係でトラブルを起こしやすいコミュニケーションの障がいがあるか

1)会話のやりとりが苦手で、話し相手の感情を共有することが困難である
2)身ぶりや手ぶりなどボディーランゲージを使わなければコミュニケーションが難しい
3)年齢に合った人間関係を築くことが困難である

以上の3つの項目で持続的な障がいが見られるかどうかが大きな診断基準のひとつとなります。

▼具体例
・乳幼児期に、視線が合わなかったり、こちらのアプローチに反応があまり見られなかったりした
・人見知りをしない
・親の後追いをしない
・話し方が棒読みだったり、大人びた言葉使いをしたりしがちで不自然な言葉を話したがる
・相手の表情や声のトーン、視線の様子から気持ちを察したり、喜怒哀楽を感じたりするのが苦手
・その場の空気や集団の空気を読めない
・対人関係で積極的に話しすぎる、消極的すぎる、孤立しやすい
・複雑な会話になると空気が読めない、言葉を文字通り受け取ってしまうといった特性のため、相手の気持ちを逆なでしたり、怒らせてしまったりする言動を取ってしまう
・自分の興味・関心のあることには一方的に話し続けてしまう
・友人や知人と親しくなれない
・本人は普通に話しているつもりであっても、相手の気に障ってしまう
・面接や電話などで極度に緊張してしまうため仕事や社会生活がしづらい
・融通がきかない、柔軟に対応できないために、職場で仕事がうまくできない

2.興味や行動への強いこだわりがあるか

1)同じ動作や同じ話題の会話ばかりを繰り返してしまう
2)同一性に対するこだわりが強い
3)極度に偏ったこだわりを持った興味や関心がある
4)音や光などの感覚刺激に敏感または鈍感である

以上の4つの項目のうち2項目以上が当てはまる場合、自閉症スペクトラム症の診断が付く可能性が高くなります。

▼具体例
・同じ行動をずっとし続ける(手足をバタバタする、飛び跳ねる、かざぐるまをずっと回し続ける)
・ひとつの作業をする場合、やり方や順番、物の並べ方などに強いこだわりがある
・同じ作業をするとき、毎回同じ流れと状況にならないと気が済まない
・状況に合わせて臨機応変な対応が困難である
・鉄道や車、恐竜や昆虫、国旗、数字や記号、地図など、ひとつのジャンルに極端に興味や関心を注ぐ
・好きなことへの情熱はもの凄いが、範囲は狭い
・興味があることはとことん追求する一方、興味が持てないことはほとんどやらない
・順番を守らない人を見るとかんしゃくを起こす
・競争やゲームで負けてしまうと、パニックになる
・勝負事やゲームに強いこだわりがあり、相手とトラブルになることがある
・インターネットやスマホ、ゲームやアニメばかり見ている
・集中力が強いために周りの状況を把握できない
・スケジュール管理や時間管理が苦手

自閉症スペクトラム症には感覚や運動の特徴も

自閉症スペクトラム症の一部のお子さんには、感覚が過敏だったり、運動や動作が不器用だったりすることがあります。

・感覚特性
周囲が気にしないレベルの些細な物音にも気持ちに影響を受けてしまう感覚過敏や、痛みや熱さ、寒さを感じづらい感覚鈍麻などを見せる場合があります。

・運動
身体の動かし方がぎこちない、運動が苦手、細かな作業が困難といった傾向も自閉症スペクトラム症の特徴になることが少なくありません。

感覚過敏や感覚鈍麻、運動が苦手といった発達障がいの特性が強く出るほど、日常生活で生きづらい感覚を抱えたまま過ごすことになります。人の多い場に行くと苦手で外出や仕事がしづらい、同じ姿勢を維持したり、身体を使った作業が難しかったり、するからです。

しかし、自閉症スペクトラム症のお子さんは、記憶力にすぐれていたり、興味や関心を示すととことん情熱を注ぐパワフルな一面も持っています。こうした特性をうまくリードしてけば、日常生活や社会生活で思わぬ能力を発揮できて、クオリティーの高い成果を出している人も多く見られます。

コミュニケーションや強いこだわりの影響で、日常生活に支障をきたしている場合は、診断を受けたうえで、発達障がい児のための福祉サービスを利用することが一般的です。しかし、個性のひとつとして捉えれば、自閉症スペクトラム症という発達障がいの症状は、障がいではなく特性や傾向があるという見方もあります。生活で困りごとがあるかどうか、それが発達障がいを考えるときにとても大切なポイントです。誰でも、得意なこと、不得意なことがあります。自閉症スペクトラム症のこどもたちも、障がいや症状を治さなければならないといった見方をするのではなく、日常生活でプラスになる能力や特性は伸ばすように意識することをおすすめします。生まれつきの脳機能の現れ方は人さまざまです。自閉症スペクトラム症の特性も、個性という考え方がこれからますます広がっていくことでしょう。

自閉症スペクトラム症(ASD)のこどもの接し方

自閉症スペクトラム症のこどもたちは、日常生活のさまざまなシーンで困りごとを抱えています。一つひとつの場面で、周囲がこどもの立場になってコミュニケーションや作業をしやすい工夫をしていくことがポイントです。

1.言葉だけで説明しても伝わりづらいときは?

自閉症スペクトラム症のこどもは、言葉での説明を受けてもイメージがわかなくてその通り実行するのが苦手です。

例えば、「このお皿をそこに置いておいて」とお母さんに言われても、『そこ』がどこなのか理解できない場合が多くあります。抽象的な表現の理解も苦手のうえ、作業が複数になると、連続した手順でこなせなくなります。「宿題をしてから、お風呂に入ってね」という表現は、2つ以上の作業が入っているので、混乱してしまうのです。

そこで、ひとつの指示を短い言葉で伝える、こどもの注意を引いてから目を見て伝える、具体的な言葉や言い回しで伝える、イラストや図を使って視覚的に伝える、といった対応をしましょう。

2.時間を守るのが苦手なときは?

時間や日付、数字などの目に見えない概念にしたがって行動するのが苦手です。そのため、時計の見方がわからない、時間や日付を聞いてもピンとこない場合があります。

時間感覚が希薄な場合は、作業を始めてもいつ始まるのか、いつ終わるのかがわからないため、不安感や焦燥感を抱えやすい傾向も見られます。

そのため、作業をするときは、開始時間や終了時間をはっきりと伝えましょう。作業内容も具体的に説明して、何をどれだけやったら終わりなのかを伝えておくと、不安感が少なくなります。また、時計のイラストが入ったカレンダーや、タイマーを活用して、視覚的、聴覚的なアプローチで時間がわかるようにしましょう。

3.相手の気持ちや空気が読めないときは?

自閉症スペクトラム症の特性のため、相手の表情やボディーランゲージ、視線などを読み取って、相手の状況や気持ちを理解するのが苦手です。文字通り受け取ってしまうため、お友だちが怒っていたとき「怒っているの?」と聞いて「怒っていないよ」と聞いたら、本当に起こっていないんだなと理解して、相手に腹立つような言動をしてしまうこともあります。また、その場の空気やグループのルールを理解できないため、集団生活が困難です。

周囲の大人は、表情に頼らず、具体的な言葉や動作を使ってコミュニケーションを取りましょう。また、「あれ」「これ」といった代名詞は控えてください。ルールや指示はわかりやすい言葉やイラストを使いましょう。

4.感覚過敏の場合は?

音や光、ニオイや温度に敏感に反応することを感覚過敏といいます。外部の刺激を極端に強く受け取ってしまうため、不快感が強かったり、パニックやかんしゃくを引き起こしたりすることもしばしばです。一方で、感覚鈍麻といって痛みや周囲の環境に鈍感な傾向が強いお子さんも見られます。

感覚特性が強いお子さんは、色彩を抑えた静かな部屋を用意してあげましょう。また、音や光などの外部の刺激をできるだけシャットアウトしてください。外出が苦手な場合は、人混みや騒音のある場所に行くときはイヤマフや耳栓を利用したり、フードや帽子を活用しましょう。

自閉症スペクトラム症のこどもへの支援方法

自閉症スペクトラム症と診断されたら、療育を受けながら生活していくのが基本です。療育とは、治療教育のことで、一人ひとりのこどもの個性や特性、能力に合わせた療育プログラムを取り入れます。療育の目的は、本人の能力を引き出してソーシャルスキルを高めること、日常生活の困りごとを減らすことにあります。

療育が受けられるのは、次のような場所です。

・地域療育センター
・医療機関
・民間の療育施設

ちなみに、利用できる年齢や障がいの種類や度合い、費用などは施設によって異なります。

地域療育センターの場合、まず電話相談や面談の予約をしてから、初診のためのヒアリングを受けます。診察や検査の後、療育方針の検討があってから、利用がスタートします。

地域療育センターでは、集団療育と個別療育の2種類の療育方法がおこなわれています。集団療育とは少人数のグループ単位でゲームや遊びをしながら、集団生活のルールを身につけたり、コミュニケーションスキルやソーシャルスキルのトレーニングをしていきます。個別療育はマンツーマンでの療育で、一人ひとりのこどもの状態や個性に合わせた指導が可能です。集団療育と個別療育のどちらが良いのか、また組み合わせる方が良いのかといった内容は、地域療育センターを利用する前にスタッフとの相談で決めて行きます。

また、施設によっては自治体が発行する「通所受給者証(受給者証)」が必要です。児童発達支援センターや児童発達支援事業所、放課後等デイサービスといった児童福祉法による療育施設を利用したいときは、前もって受給者証の申請をします。

とくに小学生から高校生までの発達障がいのこどもたちが通う放課後等デイサービスは「放デイ」と呼ばれてなじみのある療育施設です。自閉症スペクトラム症やADHD(注意欠如・多動性障がい)、学習障がい(LD)など、発達障がいやグレーゾーンの疑いがあるこどもたちが、放課後や夏休みなどに通所します。

放課後等デイサービスのポイント

現在の放課後等デイサービスは、2012年4月、児童福祉法で就学児のための療育サービスとなりました。

この法律で、放課後等デイサービスとは、学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 に規定する学校(幼稚園及び大学を除く。)に就学している障がい児につき、授業の終了後又は休業日に児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与することをいう。

児童福祉法第六条の二の二

放課後等デイサービスを利用できるのは、原則として6歳から18歳までの就学児です。障がい者手帳や療育手帳などを受けている、発達障がいに関する医師の診断書がある場合に利用できます。

放課後等デイサービスでは、発達障がいのあるこどもたちのため、一人ひとりの障害の特性や個性に合わせた発達支援が受けられます。また、少人数制のなかで社会性を身につけるソーシャルスキルトレーニングを取り入れています。そして、家族の相談やサポートもおこなっています。

自閉症スペクトラム症の特性に合わせた発達支援を受けられる放課後等デイサービスは、厚生労働省の定めたルールにしたがって運営されている療育施設です。

まとめ:発達障がいのこどもで自閉症スペクトラム症(ASD)の特徴とは?症状や診断基準、接し方のポイント

自閉症スペクトラム症は「コミュニケーションが苦手である」「興味や行動への強いこだわりがある」といった発達障がいのひとつです。日常生活でさまざまな困りごとを抱えていることが多く、周囲は適切な対応が求められます。

自閉症スペクトラム症の特性を知って、早めに医療機関や行政の相談窓口に相談したり、療育を取り入れたりしながら、こどもたちの生きづらさを軽減するサポートをしていきましょう。

 

 

 

 

 

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