発達障がいのこどもの特徴は?子供の年齢による症状の特徴を知ろう〈その3〉
発達障がいのこどもの特徴は?子供の年齢による症状の特徴を知ろう〈その3〉これまで2回、発達障がいのこどもの特徴について色々と紹介して来ました。
発達障がいかもしれないと思ったら、できるだけ早く周囲の大人が気づいて適切な支援を始めることが大切です。
最終回のこの記事では、年齢によって変化する発達障がいの症状の特徴を詳しく解説します。
発達障がいに気づきやすい年齢は?
発達障がいは、2〜3歳の幼児期から特性が目立つようになることが多いです。こどもによっては1〜2歳の乳児期の段階で、発達障がいの特徴を感じさせるサインを出していることもあります。
ただし、こどもの発達障がいは年齢や発達段階をはじめ、こどもの個性や性格などで気づきづらいケースも少なくありません。
発達障がいと診断された年齢を目安にすると、乳幼児期から症状が見られることが多い自閉スペクトラム症(ASD)は3歳頃、小学校卒業までに症状が現れることが大半のADHD(注意欠陥多動性障がい)は小学校中学年の8歳から10歳頃が多いと言われています。
ASDとADHDで診断の年齢に開きがあるのはなぜでしょうか。ASDの特徴は赤ちゃんや幼児の頃から現れやすいのに対して、ADHDの場合、こどもは多かれ少なかれ注意力が少なかったり突発的に行動したりしやすいという年齢の問題があるほか、他の病気や障がいとの違いの判断が難しいことが挙げられます。
発達障がいの年齢別の特徴とは
発達障がいのうち、自閉スペクトラム症(ASD)とADHD(注意欠陥多動性障がい)のこどもたちが年齢と共にどのような変化を見せるのか、解説します。
自閉スペクトラム症(ASD)
ASDのあるこどもたちは、乳幼児期からコミュニケーションスキルと愛着形成での遅れが目立ちやすいと言われます。はっきりと他のこどもと比べて特徴が目立つ場合もあれば、そうかもしれないと気になる程度のこともあるので、日常生活での観察が大切です。
生後6ヵ月から9ヵ月頃までに現れやすい特徴は、笑顔や楽しい感じの表情が乏しかったり、視線がうまく合いづらいことです。また、微笑みかけてもあまり反応が返ってこないといった、大人の表情に対する共感が見られないことも多くあります。
1歳になると「ばぶぶぶ」や「あううう」といった赤ちゃんがよく出す言葉が乏しい、身振りや手ぶりなどをあまりしない、名前を呼んでも反応しないといった特徴が目立つようになります。
さらに1歳半を過ぎてもほとんど言葉を話せないこどもさんは、ASDの可能性があります。また、2歳になってもパパやママ、ブーブー、「ママいる」といった意味のある単語や表現がほとんどないケースが大半です。
ADHD(注意欠陥多動性障がい)
ADHDは注意力が乏しい、じっとしていられない、突発的に何かをする、といった特性が前面に出る発達障がいです。そのため、本格的な集団生活がスタートする小学校に上がってからADHDの特徴が目立ちやすくなります。
そこで、ADHDの3つの特徴である不注意・多動性・衝動性の年齢による変化をひとつずつ紹介します。
1.不注意
小学生になったあたりから、よく忘れ物をする、授業や作業に集中できない、宿題や今やらなければいけないことをやらない、といった注意力の低さが目立ち始めます。
集中力のなさが気になる一方で、自分が興味のあることはとことん熱中する「過集中」になりやすい傾向も強まります。
高学年から中学生に入ると、遅刻が増える、時間管理ができない、先生の話に集中できない、など学校生活に支障をきたすほか、先生や友だちからルーズで真面目じゃない人間といったレッテルを貼られることも増えるので問題です。
2.多動性
小学生のうちは授業中に突然教室から出て行ってしまう、授業中や朝礼など静かに過ごさなければいけないシーンで落ち着かず隣の友だちにちょっかいをかける、など、落ち着かない様子が目立ちます。
また、気になることがあると急に行動することがあります。信号が赤でも道路に飛び出してしまう、つまらないと感じるとその場からいなくなってしまう、など、大人が注意していても思わぬ事故につながる恐れもあるので注意が必要です。
中学生になっても、授業中椅子に座っていても落ち着かない姿が続きます。ずっと体を動かしていたり、そわそわして周囲をキョロキョロ見渡したり、授業に集中できないことがしばしばです。ただ、小学生の頃のように授業中に歩き回ったり、急な飛び出しや叫ぶといった傾向は収まるケースが少なくありません。
さらに、物事を順番に従って作業をするのが苦手なADHDのこどもさんもいます。年齢と共に授業や作業についていけない場面が増えていきます。
3.衝動性
小学生の間は、気持ちのコントロールが苦手です。些細なことで手が出たり、暴言を吐いたりして対人関係のトラブルを起こしてしまいます。また、突然関係のない話題で話し出したり、話に割り込んだり、コミュニケーションのルールが守れないこどもも多く見られます。
中学生になると、後先を考えない行動や集団のルールを守れないため、周囲のひんしゅくを買いやすくなります。また、感情の抑制がうまくできないので、イライラしたり怒りやすかったり、我慢できないことがあると暴力をふるったりすることもあります。
発達障がいのサインかもしれないと感じたら
こどもの発達の遅れや偏りは乳幼児健診をはじめ保育園や小学校、中学校に入学するタイミングでわかることが多くあります。また、学校生活でさまざまな困りごとが増えてきて、発達障がいを疑うことも少なくありません。
もし、日常生活で発達障がいかもしれないサインが出ていたときは、次のような相談窓口を利用してみましょう。
- 児童発達支援センター
- 子育て相談センター
- 発達障害者支援センター
- 保健所・保健センター
- 病院・クリニック(小児科・心療内科)
お住まいの地域の相談窓口がわからないときは、まず市町村の保健所や子育て相談窓口に電話で問い合わせると、適切な窓口を紹介してもらえます。
発達障がいのこどもの特徴は?子供の年齢による症状の特徴を知ろう〈その3〉
発達障がいのこどもの特徴は年齢によって変化していきます。ASDやADHDなど発達障がいの種類でも特性は異なるので、他のこどもたちと発達の遅れや偏りを感じたら、サインを見逃さないようにある程度発達段階のプロセスを知っておくことをおすすめします。
発達障がいのこどもの支援は、地域にある放課後等デイサービスでも行っています。放課後等デイサービスは、放課後や休日にこどもたちが通って遊んだり、体操をしたりして過ごす場所で、吹田のこどもプラス大阪もそのひとつです。
こどもの発達についてわからないことがあったときは、ぜひこどもプラス大阪に相談してみてください。こどもさんのサポートのしかたや適切なサービスの案内などが受けられますよ。
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