発達障がいのこどもの子育ての悩みとは?子育てがラクになるアドバイス〈その1〉
発達障がいと診断されたり、グレーゾーンのこどもを子育てする親は、さまざまな悩みごとを抱えています。
文部科学省のデータによると、小学校1年生の10人に1人の割合で発達障がいを持っている現在。発達障がいのこどもを持つ親も育児や教育で悩んでいるのです。
そこで今回は2回に分けて、発達障がいのあるこどもの子育ての悩みについて見ていきます。親の悩みの特徴や子育てがラクになるアドバイスなどをまとめて解説します。
発達障がいのこどもの親が悩んでいること
発達障がいと診断されたからといって、こども自身の生きづらさが解決するわけではありません。また、子育て中の親にとっても、どういった対応や教育が正解なのか、手探りで毎日を過ごしているケースが多いようです。
例えば、発達障がいのこどもを持つ親は、次のような悩みごとを抱えています。
- こどもとコミュニケーションがうまく取れない
- こどもが落ち着きがない
- 発達障がいだとわかっていてもつい怒ってしまう
- 外出時に周囲の視線が気になる
- 周囲の理解が感じられず躾がなっていないと思われているようで辛い
- 適切なサポートや就学先がわからない
- 相談相手がいない
こうした悩みごとは日常生活で常に直面する問題ばかりです。そのため、発達障がいのこどもを子育てする親は、気持ちが落ち着かない、いつも気を張っていてストレスが大きい、といった傾向があります。
発達障がいのこどもの子育ての悩みの具体例
発達障がいのあるこどもを子育てするとき、具体的にどのような悩みごとがあるのでしょうか。詳しく紹介します。
1.叱りすぎてしまう
- 遊んだおもちゃの片付けをしない
- 宿題をしていない
- 好き嫌いが多い
- 兄弟げんかですぐに手が出る
発達障がいやグレーゾーンのこどもは、親の理解を超える言動をしがちです。親の立場からすると、何度注意してもわかってもらえないため、つい感情的になって叱ってしまうといった悩みをよく耳にします。
2.勉強しない
発達障がいのこどもは勉強が苦手で嫌いなことが少なくありません。ただし、勉強しない、勉強が苦手な理由は自閉スペクトラム症(ASD)やADHD、学習障がい(LD)といった発達障がいの種類によって異なります。
勉強させようと親がリードして学習時間を設けたり、宿題を一緒にしようと思ってもすぐに飽きてしまってじっとしていられないといった悩みが多く見られます。
3.落ち着きがない
部屋の中をずっとうろうろしている、授業中に教室を歩き回る、人の話をきちんと聞けないなど、落ち着きがないこどもは発達障がいの特徴のひとつです。
落ち着きがない状態がエスカレートすると、社会性に乏しく人間関係が築きづらいという問題が起きやすくなります。
4.イライラする
感情のコントロールが苦手な発達障がいの特性で、怒りっぽい、些細なことですぐかんしゃくを起こすなどで悩む親は少なくありません。
気持ちの制御が難しいこどもにどう対応したらいいかわからず、途方に暮れてしまう親もいます。
5.食べ物の好き嫌いが多い
発達障がいのこどもの中には、野菜によって食べられないものがあったり、熱い、または冷たいものが食べられないなど、極端に味覚が敏感な特性を持つことがあります。
偏食が続くと栄養バランスが取れなくなって発育にも悪影響を及ぼすことがあるので心配です。
6.片付けが苦手
注意力が低い、順番立てで作業ができない、といった理由があるので上手に片付けられないこどもがいます。
片付けや準備の段取りが苦手なこどもは、部屋が散らかっている、明日の学校の用意ができなくて忘れ物が多い、といった問題が起きやすくなります。整理整頓が苦手なため、必要な物が見つからずにパニックになることも少なくありません。
7.コミュニケーションが苦手
家族とのコミュニケーションはもちろんのこと、学校での対人関係を築くのが困難なので、友だちができづらい場合が多くあります。
言葉の発達の遅れや、ソーシャルスキルが身についていないといった理由で、お友だちができても関係性を維持できないことも多いようです。
ここで紹介した悩みごと以外にも、次のような問題を抱える親もいます。
- 感覚過敏/感覚鈍麻
- 寝付きが悪い・睡眠時間が不規則
- 迷子になりやすい
- 忘れ物や失せ物が多い
- 運動が苦手
- 着替えが苦手
- お風呂が嫌い
こうした悩みごとは、発達障がいの特性から生まれている可能性が高いと考えられます。
まとめ:発達障がいのこどもの子育ての悩みとは?子育てがラクになるアドバイス〈その1〉
発達障がいのあるこどもを子育てするとき、つい叱りすぎたり、感情的になったりして悩んでしまう親が少なくありません。
しかし、こどもたちの視点で見れば、発達障がいの特性によって大人の常識とは異なる言動をしてしまっているだけなのが実際です。
それでは、発達障がいのこどもを持つ親は、そうした特性にどうやって対応すればいいのでしょうか。次の記事では、子育ての悩み別にアドバイスを解説します。
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