発達障がいのこどもの目つきの特徴とは?ASDと顔つきの関係 その2
発達障がいのなかでも自閉症スペクトラム障がい(ASD)のこどもは「独特の目つき」をしているといわれることがあります。ASDかどうかを目つきや顔つきで判断することはできませんが、コミュニケーションスキルの習得がしづらいことから、相手と目が合わない、表情が不自然などの特徴によって、目つきに関する噂が広がっていたようです。
では、自閉症スペクトラム障がいのこどもたちがコミュニケーションスキルを身につけて、社会生活にうまく対応するためにはどのようなサポートが大切でしょうか。
一緒に見ていきましょう。
ASDのこどもが成長とともに直面する対人関係の問題
自閉症スペクトラム障がいのこどもたちは、成長とともに特性のひとつである対人関係の難しさで困りごとが増えていきます。
たとえば、小学校に上がった頃から次のような問題が起きます。
・お友だちの表情や話し方、視線などから相手の気持ちをキャッチするのが苦手
・その場の空気やグループだけのルールがわからない
・ひとりでいたがる反面、急にお友だちに関わろうとするなど、対人関係がアンバランス
・相手の思いや気持ちをくみ取りながらコミュニケーションをするのが苦手なため、トラブルが起きやすい
また、こだわりの強さも、対人関係に支障をきたすことがあります。
・自分の興味・関心のあることはしゃべり続けるのに、相手の話は聞かないので嫌がられる
・こども本人は思ったことを伝えているだけなのに率直すぎてケンカになる
・表面的なコミュニケーションはできるが、踏み込んだ関係性まで至らない
自閉症スペクトラム障がい(ASD)のコミュニケーションスキルを高めるには
ASDのこどもの特徴である対人関係の困難さやこだわりの強さを理解したうえで、どのような対応をすればよいのでしょうか。
ここでは、2つのポイントを紹介します。
1.言葉によるコミュニケーションスキルのために
ASDのこどもたちは、抽象的な言葉や比喩表現、慣用句などの理解が苦手です。また、同時にふたつ以上のことを聞いたり、行動したりするのも難しいため、家族や先生とのコミュニケーションでは次のような対応をしましょう。
・注意して欲しいこと、覚えておいて欲しいことは短い言葉で伝える
・ひとつずつ伝えるようにする
「靴を脱ごう」そして「靴を揃えよう」など、動作の流れを細切れにして伝える
・具体的な表現を使う
「そのあたりをきれいにしておいて」より「このテーブルの上をティッシュで拭いて」
・イラストやフローチャートなどを利用して視覚的な伝え方を工夫する
2.相手の気持ちを理解してコミュニケーションをするために
ASDの特性として、相手の表情やボディーランゲージ、周囲の状況から気持ちや考えを察知するといったコミュニケーションは困難です。本人は悪気はなく普通に会話しているだけなのに、お友だちから皮肉を言われたとケンカになることもあります。こうしたコミュニケーションスキルの問題は、次のような支援をおこないましょう。
・言葉だけでなく、表情やボディーランゲージの種類を学んで相手の気持ちを理解するスキルを広げる
・話すときは具体的な言葉で表現するように先生や友だちに理解してもらう
・学校のルールは具体的に繰り返し伝える
学校生活がスタートすると、お友だち関係で困りごとが増えていきます。コミュニケーションでトラブルにならないためにも、コミュニケーションスキルを身につけたり、学校や先生、クラスメイトに発達障がいの特性を理解してもらったりする工夫が大切です。
まとめ:発達障がいのこどもの目つきの特徴とは?ASDと顔つきの関係 その2
発達障がい、とくに自閉症スペクトラム障がい(ASD)だからといって、とくに目つきや顔つきに特徴があるわけではありません。
ただ、乳幼児期から視線が合いづらかったり、表情が不自然だったりなど、コミュニケーションでつまづきやすい特性を持っている傾向が強く見られます。
小学校入学後、本格的な学校生活が始めると、ASDやADHD(注意欠陥・多動性障がい)のこどもたちは、コミュニケーションスキルの問題でお友だちと対人関係が築けなかったり、ケンカやトラブルに発展したりする可能性が大きくなります。
そこで、言葉の発達支援やコミュニケーションスキルの習得を含めたソーシャルスキルトレーニングをおこなっている、放課後等デイサービスの利用はいかがでしょうか。放課後や休日にこどもたちが通って、運動をしたり、社会性を身につける訓練を受けたりする放デイは、発達障がいのあるこどもの社会性を高めて、対人関係のスキルアップに力を入れています。
吹田を中心に展開する「こどもプラス大阪」も、脳の発達を促す「柳沢運動プログラム」や「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」をベースにした放デイのひとつです。こどもたちの日常生活での困りごとを減らしていって、楽しい学校生活や将来の社会生活につなげるためにも、ぜひ一度放課後等デイサービスの利用を検討してみてください。
コメントを残す