発達障がいのこどもの目つきの特徴とは?ASDと顔つきの関係 その1
発達障がいのなかでも自閉症スペクトラム障がい(ASD)のこどもについて次のような話を聞いたことはありませんか。
「独特の目つきをしている」
「顔つきでASDかどうかがわかる」
発達障がいが有無を、目つきや顔つきで見分けることはできるのでしょうか。
そこでこの記事では、2回に分けて発達障がいのあるこどもの目つきや顔つきの特徴でよく聞く話や、ASDの特徴、対人関係のポイントなどについて解説します。
自閉症スペクトラム障がい(ASD)とは
自閉症スペクトラム障がい(ASD)とは、発達障がいの一種です。以前は自閉症やアスペルガー症候群などと分けて呼ばれていましたが、医学的にまとめて診断されるようになっています。
自閉症スペクトラム障がいは、こどもの約20人から50人に1人で見られるといわれています。また女性よりも男性に多く、その差は約2倍から4倍です。
発達障がいのなかでも乳児期の段階で自閉症スペクトラム障がい(ASD)かもしれないとわかることがあります。最近は、1歳半の乳幼児検査でASDの可能性を伝えられるケースも見られるようになりました。
自閉症スペクトラム障がいの特性
自閉症スペクトラム障がいの特性は、主に次の2つです。
1.対人関係が苦手である
人とのコミュニケーションが苦手です。その場の空気を察知したり、相手の気持ちを理解するといった人間関係に必要なスキルが身につきづらく、対人関係でトラブルになってしまうことも多く見られます。
2.こだわりが強い
自分だけのマイルールがある、物事の並べ方や配置、作業の順序に強い固執する、好奇心が強いものの興味・関心の偏りが大きい、といった特徴があります。
自閉症スペクトラム障がいの特徴的な顔つき
結論からいうと、顔つきから自閉症スペクトラム障がいがあるかどうか判断できるような特徴はありません。
かつては、物事を考え詰めているような顔だったり、賢そうな顔つき、といわれていた時代もありますが、聞かれなくなりました。
つまり、自閉症スペクトラム障がいの疑いがあるかわかる顔つきの特徴はないといっていいでしょう。
自閉症スペクトラム障がい(ASD)の可能性があるこどもの特徴
顔つきでは自閉症スペクトラム障がいの特徴はわかりませんが、対人関係が苦手なこと、こだわりが強いことからわかる特徴はいくつかあります。
ここでは、自閉症スペクトラム障がいが疑われるこどもの特徴を乳幼児期にスポットを絞ってまとめて紹介します。
1.対人関係の苦手さによる特徴
・あやしても視線が合わない、目が合っても表情が乏しい、顔つきが固い
・名前を呼んでも反応しない
・人見知りしない
・指さしをしても視線を向けない
・抱っこや身体に触られるのを嫌がる
・ひとり言やひとり遊びをよくする
・食べ物の好き嫌いが極端に多い
・寝付きが悪い、目を覚ましやすい
2.こだわりが強さによる特徴
・同じ行動を飽きずに繰り返す
(手足をバタバタする、ずっと飛び跳ねる)
・物事の順番や並べ方、手順に強いこだわりがある
・いつも同じやり方でないとかんしゃくを起こす
・興味・関心のあることが狭くて深い
・電車や恐竜、地図など限られた対象に強い関心を示す
発達障がいのあるこどもの目つきが話題になる理由
「自閉症スペクトラム障がいのこどもたちは独特の目つきをしている」という話を聞くことがあります。しかし、実際には目立って目つきで発達障がいかどうかがわかる特徴はないでしょう。
自閉症スペクトラム障がいのこどものなかにも、目が合わないこどもさんもいれば、合うこどももいます。なかには、穴が空きそうなほどこちらをずっと見つめてしまうこどもさんもいるほどです。
ただし、乳幼児期に親子で触れ合おうとしても、目が合わなかったり、表情が不自然だったりといった、ASDの特徴から、目つきの話題が出やすい可能性は考えられます。とくに、「目は口ほどにものを言う」といった感情や思考を目で伝えるといったコミュニケーションスキルは苦手のようです。
こうした特徴によって、目つきが独特といわれたり、視線が合わない、表情が固い、といった印象を与えるのかもしれません。
まとめ:発達障がいのこどもの目つきの特徴とは?ASDと顔つきの関係 その1
自閉症スペクトラム障がい(ASD)だからといって目つきに特徴がある、顔つきで発達障がいを判断できるわけではありません。
ただし、乳幼児期からASDのこどもたちは、目が合わなかったり、表情が不自然だったり、コミュニケーションスキルの部分で苦手な特性があるのは確かです。
そこで、次の記事では、自閉症スペクトラム障がいのこどもたちとコミュニケーションスキルについて考えていきます。対人関係の苦手さをどのようなクリアして、日常生活の困りごとを減らしていくことができるのでしょうか。
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