発達障害の学習障害とその勉強方法②特徴・工夫
学習障害(LD)は発達障害のひとつで、「読み」「書き」「話す」「計算する」といった特定の分野の能力のみ遅れたり、ある教科だけ極端に苦手だったりするのが特徴です。
大人が何度も指導したり、本人がいくら頑張っても、思うように能力が身につかないため、学年の学習進度から徐々に遅れが目立ち始めます。
『発達障害の学習障害とその勉強方法』の2回目は、学習障害の具体的な特徴と勉強方法の工夫例についてまとめてご説明します。
教科や分野別・学習障害の特徴
「読み」「書き」「計算する」といった能力に支障が出る学習障害は、学校の教科に当てはめると国語や算数が苦手です。
また、集団生活でのコミュニケーション能力が困難な場合もあります。
具体的にそれぞれ見ていきましょう。
①国語で学習障害が現れた場合
・読み間違いが多い
・文章を読んでも理解ができない
・音読させるとたどり読みしてしまう
・文字を書くのに時間がかかる
・書き取りや作文が苦手
・作文で主語が抜けたり「てにをは」を間違えたりしやすい
②算数で学習障害が現れた場合
・暗算ができない
・学年が上がっても指を使わないと計算ができない
・繰り上がりや繰り下がりなど、算数の基本が理解できない
・九九は覚えるが、九九を使って計算はできない
・文章問題や応用問題のほか証明問題や図形問題が苦手
③コミュニケーションで学習障害が現れた場合
・話者が2人以上のグループになると途端にしゃべれなくなる
・自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちをくみ取るのが苦手
・話を聞いてもすぐに忘れてしまう
・比喩やシャレ、反語が理解できない
・相手の表情やその場の空気を読むのが苦手
このように、学習障害の特徴が出るジャンルはとても広く、楽しい学校生活を送るのに大切な能力ばかりです。
勉強方法の工夫例
それでは、学習障害のお子さまがうまく学習をするのに、どういった工夫をすれば良いのでしょうか。
識字障害、書字表出障害、算数障害の3つの種類に分けてご紹介します。
①識字障害(ディスクレシア)で工夫できること
国語の音読でよく見られる「飛ばし読み」を防ぐため、読む行ごとに定規を当てるようにしましょう。
また、文節や単語のまとまりが一目でわかるように、赤のマーカーなどで区切りのしるしを付けると、読みやすくなります。
②書字表出障害(ディスグラフィア)で工夫できること
書き取りのノートはできるだけ大きなマス目のものを選びましょう。
マス目ごとに十字の補助線が入っているとなお、お子さまは書きやすくなります。
漢字の学習では、まずその漢字の意味を理解することを優先させましょう。
ある漢字を見て意味がわかるようになってから、読みを覚える段階へと進むと、スムーズに定着できます。
③算数障害(ディスカリキュリア)で工夫できること
数字を概念で扱うのではなく、まず実際に果物や小石などを使って数を数えたり、買い物をしていくらお釣りをもらったかを一緒に考えたり、実生活に即して数字を学ぶ工夫をするのがオススメです。
このほか、タブレット端末や学習動画、デジタルカメラを活用するなど、発達障害のお子さまが楽しくイメージしながら学習内容を身につけるツールを使ってみるのも効果的です。
吹田の放デイ・こどもプラス大阪は勉強方法のサポートも
こどもプラス大阪では、吹田の3教室で発達障害の小・中学生に学校の宿題などをサポートする取り組みを続けています。
放デイ側でも、学年や年齢に合わせた学習プリントを用意。
スタッフのサポートのもとで子どもたちが学習することもあります。
発達障害のうち学習障害が原因で学校の授業に遅れてしまうお子さまは、データからも一定割合いらっしゃいます。
学習障害の特徴に合わせた勉強方法を工夫すれば、極端に苦手な分野や教科内容でもスムーズに身につけさせるきっかけになります。
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