発達障害のこどもで起きやすいトラブルとは?その原因と対応方法②
前回は、発達障害の種類や原因、こどもが小学校に上がってからの特徴を中心にご説明しました。
それでは、小学校での学校生活でどのようなトラブルが起きやすいのでしょうか。
トラブルが起きやすい学校でのシーン
シーン①集団行動でのトラブル
小学校ではみんな一緒に学習をする、運動をする、食事や掃除をするといった集団行動が強まります。
発達障害には、じっとしていられない、順番が守れない、こだわりが強い、気になったら他のことが目に入らなくなる、といった特徴があるため、集団行動をしないといけないシーンで自分だけ「勝手な」行動をしてしまう場合が増えてきます。
授業中なのにじっと座っていられず、まわりのクラスメイトにちょっかいを出したり、自分が欲しいものがあるとたとえみんなが順番を守って並んでいても列を割って入ったり。
また、自分はいつでも一番になりたいという純粋な気持ちから、かけっこをしてもルールを守らず友だちを押しのけたり、「ズル」をしたりする場合もあります。
こうした行動は本人にとっては悪気もなく、素直な思いから起こっていることです。
しかし、目立ちはじめると、周りの友だちとけんかになったり、仲間はずれにされてしまう可能性が高くなるのです。
シーン②コミュニケーションでのトラブル
発達障害のこどもは、相手の言葉や表情から気持ちを判断したり、空気を読んだりするのが苦手です。
コミュニケーション全般が苦手なため、先生の一斉指示が理解できない、友だちの冗談や比喩がわからず額面通り受け取って感情がもつれやすくなります。
また、たとえ相手が傷つくことでも思ったことをそのまま言ってしまうこどももいるので、本人が知らない間に友だちを傷つけているケースもあります。
また、強いこだわりを持つ発達障害の特性が働いて、どんなことでもウソはよくないと本当のことしかいわない、相手の気持ちを考えずに注意するといったケースも増えてきます。
このように、コミュニケーションスキルの不足から周囲の誤解を招きやすくなるのです。
さらに、感情や衝動をコントロールするのが苦手です。
友だちと仲良く遊んでいたと思ったら、急に自分の意に沿わないことがあると言葉よりも先に手が出てしまうことも。言葉による表現が苦手なこどもが多いため、ゲームで負けそうになると友だちをたたいたり、物を投げて威嚇したりといったこどももいます。
感情をうまく制御したり、自分の気持ちを言葉や表情で表現できないため、友だちの中で孤立していきやすくなります。
まとめ
ここまで見て来たように、学習面や友だちとの対人関係が複雑になる小学校に入ると、発達障害のこどもは生活スキルの不足で周囲とのトラブルを招きやすくなります。
発達障害の特性である、強いこだわりや感情のコントロールが不得手であることなどが、学校生活でネックになるのです。
それでは、発達障害のこどもがうまく学校で学習していくには、どのような工夫が必要なのでしょうか。
次回は、発達障害のこどもに対する学校での工夫についてご紹介します。
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