こどもの発達障がいが気になるときの相談先は?〈その2〉
発達障がいは、早期発見と早期支援でなるべく早いサポートが大切です。前回は、日常生活でこどもが発しているサインについて紹介しました。
2回目のこの記事では、こどもたちのサインをキャッチした後、どこに相談すればいいのか主な窓口を紹介します。
発達障がいのサインを感じたらまず乳幼児健診で相談しよう
「落ち着きがない」
「言葉の発達が遅れている」
そんな発達障がいのサインを感じたら、まず乳幼児健診で相談しましょう。
乳幼児健診には、新生児訪問や3〜4か月健診などもありますが、発達障がいに関する相談は発達の度合いをチェックし始める1歳6か月健診からがメインです。
1歳6か月健診
1歳6か月から満2歳までの幼児を対象にした市町村による健診です。一人歩きができるかなど、運動機能や身体の発育をチェックします。また、言葉の発達など発達状況のチェックも行います。
この健診は、発達状況の確認や、先天的な病気がないか早期発見のために行われています。必要に応じて適切な指導や関係機関へとつないでもらえます。
3歳児健診
3歳の幼児が対象の市町村が実施する健診事業です。
3歳になると、親がそばで見守っている環境であれば、自分でさまざまな行動が可能です。身体の成長と精神面の発達状況をチェックします。
とくに精神発達の度合いを調べるときは、認知能力と言語度能力の発達状況を重点的に確認します。
5歳児健診
市町村によっては、満5歳になる年中児を対象にした健診事業を行っています。5歳児は基本的な生活習慣が身について、社会性も備わってくる時期です。しかし、保育園や幼稚園など集団で過ごす場面では、お友だちづくりが苦手だったり、着替えや片付けがうまくできなかったりするこどもたちがいます。
心理判定員や保健師が、こどもの発達や社会性の悩みごとの相談を行います。
就学時健康診断
6歳の小学校入学を控えたこどもが対象です。学校保健法に基づいて実施される健康診断で、市町村の教育委員会が行います。
健康診断の結果から、必要なアドバイスや指導をしてスムーズに就学できるようにサポートします。
主な相談窓口リスト
乳幼児健診以外にも、次のような専門職や相談窓口があります。
- 保健所・保健センター
- 児童相談所
- 児童家庭支援センター
- 地域子育て支援センター
- 市区町村の育児相談
- 保健師
- 巡回支援専門員
- 相談支援専門員
- 各都道府県助産師会の相談窓口
- 育児相談電話
保健所・保健センター
自治体の精神保健に関するさまざまな行政を担当する部署です。公衆衛生や健康情報の啓発事業をはじめ、医療相談や訪問指導などを行っています。
児童相談所
ソーシャルワーカーや医療職などが在籍して、こどもに関する相談と援助を行っています。
児童家庭支援センター
こどもの問題に対して専門性の高いアドバイスを行う機関です。また、自治体による乳幼児健診や家庭訪問事業、発達障がいのこどもたちへの支援事業などを委託しています。
地域子育て支援センター
こどもとその親が地域で交流を図るコミュニティの拠点です。公民館や保育園をはじめ公共施設などに設置されており、こどもに関する相談や助言を行います。
市区町村の育児相談
自治体の役所に設置された子育て専門の相談窓口です。
保健師
保健所や学校・会社などに在籍して、集団健診や健康相談といた保健指導を行います。所属先によって、子育ての悩みの相談を受け付けている場合もあります。
巡回支援専門員
発達障がいのスペシャリストとして、保育園や子育て支援センター、学校などを訪問します。こどもたちの発達状況をチェックする、親の悩みや困りごとの相談・助言を行います。
相談支援専門員
障がい者全般の自立をサポートする職種です。障がい福祉サービスの利用計画を作成したり、支援事業へとつなげたり、障がい福祉にまつわるさまざまなサポートを担当します。
各都道府県助産師会の相談窓口
公益社団法人 日本助産師会による、育児相談の窓口です。
育児相談電話
社会福祉法人 日本保育協会が運営する子育て相談電話です。保健師や、保育園長などの経験者が妊婦や乳幼児に関する不安や悩みの相談にのって、適切なアドバイスをしています。
発達障がいと診断された後の相談先
乳幼児健診などで発達障がいかもしれないと分かったら、小児科や心療内科などを受診して発達障がいかどうかの診断を受けます。
発達障がいの診断は必ず医師による診察が必要です。
発達障がいと診断されたら、次のような相談窓口が利用できます。
- 発達障害者支援センター
- 児童発達支援センター
発達障害者支援センター
発達障がい者や発達障がい児の総合的な支援をおこなう施設です。保健医療や福祉、教育機関などと連携して、発達障がいのあるこどもの発達支援のため、適切なサービスへとつなげます。
児童発達支援センター
障害のあるこどもたちが、地域で日常生活を送るための福祉施設です。福祉型と医療型の2種類があります。
福祉型
未就学児を対象にした日常生活の生活訓練を行う児童発達支援や、小学校から高校生までのこどもが放課後や休日を利用してソーシャルスキルを学ぶ放課後等デイサービス、保育所に通う障がい児の支援を行う保育所等訪問支援があります。
医療型
医療型児童発達支援と呼ばれている施設です。身体的不自由がある児童に対して発達支援や治療を行っています。
なお、放課後等デイサービスをはじめ児童発達支援センターは、療育手帳などを持っていなくても自治体の審査で認められれば利用できます。世帯の所得に応じて利用料が決まっているのもポイントです。
まとめ:こどもの発達障がいが気になるときの相談先は?〈その2〉
家庭や学校で、こどもから発達障がいのサインが出ていたときは、ここで紹介した乳幼児健診や相談先に不安や悩みごとの助言や支援を受けてみましょう。
吹田にあるこどもプラス大阪でも、発達障がいが心配なこどもを持つ親御さんからの相談を受け付けています。適切な発達支援サービスを紹介するのはもちろん、施設ではソーシャルスキルトレーニングをはじめこどもの発達をサポートするカリキュラムを運営しています。
もし発達障がいの相談先がわからないときは、お気軽にこどもプラス大阪までご相談ください。
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