発達障がいのこどもは不安が高い?日常生活で自信とやる気を引き出すためのポイントとは その2
国内の研究によって発達障がいのあるこどもは不安が高いことがわかりました。
不安の高さはこどもが積極的にさまざまなことにチャレンジする機会を減らしたり、人とのコミュニケーションを避けようとしたり、こころとからだの発達にも大きな影を落とします。
また、うつ病や不登校など二次障害の問題も注意しなければなりません。
そこで2回目のこの記事では、発達障がいのあるこどもの不安の強さにどう対処すればいいのか、考えていきます。
新しいことにチャレンジできない、お友だちと遊ぼうとしない、といった心配がある親御さんが知っておきたいやる気の引き出し方も触れていきましょう。
こだわりや不安が強いという発達障がいの特性
発達障がいのなかでもとくに自閉症スペクトラム障がい(ASD)を抱えるこどもたちは、こだわりが強い、不安が高いことで知られています。
例えば、次のようなこどもさんを見かけたことはないでしょうか。
・毎日、必ず同じ登下校ルートでないとかんしゃくを起こす
・自分だけの物事の進め方や順番があり、少しでも外れるとパニックになる
・急に予定が変更になると不安になる、怒り出す
・いつも不安が高く新しい勉強に取り組まない
・相手の反応が怖くて積極的にお友だちと関わろうとしない
こうしたこだわりの強さや不安の高さは、学校生活や社会生活にも支障をきたしてしまうため、親御さんとしては心配です。
このように、発達障がいのあるこどもは、急な予定変更や環境の変化が苦手です。
そのため、初めて訪れる場所や初対面の相手に出会うと、不安が強くなって恐怖が大きくなっていきます。
パニック状態になる場合もあり、感情の処理ができなくなるとますます不安が強くなっていくのです。
こうした発達障がいのあるこどもの不安の高さは、脳にある扁桃体と呼ばれる感情を司る部位が過剰に働くためではないかと考えられています。
不安が強いこどもに対応するには
それでは、こどもの不安の高さを軽くするには、どのような対応方法があるのでしょうか。
まず、こどもさんと一緒に「もしも予定通りにいかない場合、どうするのか」を考えておきましょう。
急な予定変更や自分だけのこだわりのある作業の進め方ができなくなっても、次の手段を用意しておくことが大切です。
例えば、登校ルートで一日だけ道路工事があって迂回しなければならないときは、前日から工事のこと、別の道を通らなければならないことを繰り返し言葉やイラストなどで伝えるといった工夫がおすすめです。
前もって明日の行動がわかっていると、こどもはある程度冷静に対応できます。
また、こども本人が不安になりやすい場所や環境、人や条件などをピックアップしておいて、日常的に避けるようにしましょう。
騒音やにおいが気になる場所には行かない、こどもが苦手なスタッフがいるお店には近づかない、など工夫次第で不安を高める原因を取り除くことができます。
一方で、家族や先生は、本人のこだわりや不安に寄り添って、否定したり、無理に変えようとしたりするのは避けてください。
また、日常的にこどもの行動に合わせて予定通りにいかない可能性を伝えておく、もしものときは別の方法で対応する、ことを知らせて安心させておきましょう。
また、こどもに知っておいてもらいたいことは、口頭だけで済ませず、紙に文字やイラストで書いて渡してください。こどもが理解しやすいように、短くシンプルな表現を心がけましょう。
まとめ:発達障がいのこどもは不安が高い?日常生活で自信とやる気を引き出すためのポイントとは その2
不安が高いことがわかった発達障がいのあるこどもたち。
不安の高さが原因で、こころやからだの発達に大切な日常生活のさまざまな体験が失われてしまってはいけません。
発達障がいのあるこどもの不安の高さを理解したうえで、日常生活で不安と上手に付き合う方法を見つけましょう。
また、勉強やお友だち関係などで積極的にチャレンジできるように、家族や先生もサポートしながらこどもが自信を身につけることができるような工夫をしていきましょう。
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