発達障害と聴覚過敏の関係を考える②
人より特定の音や周囲の雑音を過剰に感じ取って、不安になったり、疲れたりする発達障害のお子さまがいます。
こうした聴覚過敏は発達障害のお子さま全員が持つわけではありませんが、自閉症スペクトラム症の診断の目安になるくらいよく知られた特性です。
今回は『発達障害と聴覚過敏の関係を考える』、その2回目です。
発達障害のお子さまが抱える聴覚過敏とは、どのようなものなのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
聴覚過敏だとどんな音が苦手?
聴覚過敏は、特定の音に反応する場合と大きな音に反応する場合の2パターンがあります。
聴覚過敏が出やすい特定の音
・掃除機やドライヤー、冷蔵庫など家電の音
・食器同士が触れ合ってガチャガチャ鳴る音
・水洗トイレを流す音
・運動会のピストルの音
・赤ちゃんの泣き声や子どもの声
・多人数での会話
・繁華街での音や人の声
・体育館や会館などでたくさんの人が話している声
聴覚過敏が出やすい大きな音
・ドアやサッシを開け閉めする音
・ドアをノックする音
・救急車やパトカーのサイレン
・授業のチャイム
・ダムの放流や公民館などの防災サイレン
聴覚過敏の症状とは?
このほかにも、そのお子さまだけがとくに反応する音や声もあります。
心身の疲労が重なって体調が悪いとき、緊張や不安感の強いときなど、大きなストレス状態にさらされている状態でとくに聴覚過敏が出やすいといわれています。
聴覚過敏のお子さまが電車に乗るとしましょう。
たとえばJR吹田駅で電車に乗るとしましょう。
駅ビルに入ると、改札口の周辺はたくさんの人の声や歩く音が響き合っています。
駅や売店に流れるBGM、自動券売機のアナウンスやお知らせ音、電車の発車や到着時刻、遅延を知らせる館内放送やホームの放送など、数え切れない音がすべて耐えられない騒音となってお子さまに押し寄せます。
そうした状態では、親から話しかけられてもうまく聞き取れなかったり、いたたまれなくなってその場から逃げ出してしまったりするのです。
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